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シンカラス  作者: 白木克之
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第10章 波乱

「そして、他国への侵略と攻撃を制御する中央システムが破壊されたA国の月本部は、あらかじめインプットされ、月裏側のT国に向けて設置していたレーザー砲の発射ボタンを押そうとした。だが、その瞬間電磁パルス爆裂は起こった。だってそうじゃ無いか、和良司令官はその時地下に居たんだし、対馬海洋研究所から瀬戸内研究所内に移動し、尤も地球上で被害が少ないだろう地球的大異変の時に、自らを守れる場所に避難していた。もう電磁パルス爆裂は起きれば誰も止める事は出来ない。連鎖的に波及し、無限に起こっている地球的大事変のタイミングだからこそ、全てキャンセルする強硬策を取ったんだよ。AIがどこかで一台でも稼働していれば、そのボタンは戦争勃発のサインだし、誤作動も起きるからね。これが調査した内容だ」

「ふむう・・・確かに今言う事は全て起きた事だ。こうも時系列で言われると反論しようも無いが・・」


 シンすらも唸らざるを得なかった。そこで神野黒服がやっと言う。


「その今の発表だが・・我々が冬眠していた時期と重なる。そして黒川君、君は和良司令官と居た事にならなければ、おかしくなるが・・」


 その事に黒川主査は、


「いえ、ですので、地深くの特殊班・研究室におりました。私が和良司令官と出会うのは、もう少し後です。それに、不思議に思われませんか?私の発表もこの後でしたが、少し神野元老との発表を先に致します。皆様も昼食は抜きになるかも知れないが、ご勘弁下さい。私は若返り施術を受けております。年齢は神野元老とほぼ同じですが、形成手術は現在でも可能ですが、エライ首班としての活動期まで、黒川と言う博士は和良司令官の先に申し述べた助手であった訳です。ただ、全てを用心深い彼をして任せてくれる訳でも無く、自分のやろうとしている事、やっている事を披露する事もありませんでした。その点はご説明もした通りです。その地下に居たお陰で、奇跡的に私の研究は継続されつつも、大幅に後退したのも事実です」

「そうか・・そこはやっと分ったよ、ふふふ。皆さんにも言っておく。我々自身も君達と同じ極端なAI主導の時代から、それを失ってもやはり端末による管理社会の教育を受け、その旧ドーム=九州支部管轄の研究室の一員であった。だが、皆とほぼ同じ。セパレートされたセクト間の交流は殆ど無いし、どこかで監視の眼が光っていたから、情報管理室や、その他はこのドーム内を監視する役目だ。それにハッキングの事も出たが、確かにエイジ副班長もその一人で、レンジ元班長もそうだし、カムイ副班長の3人を抜擢したのは首班だが、私も彼らがどのような能力を持ち得るのかも全く把握出来ていなかった。これには副首班も関わっているよね?」

「はは・・この会議の途中で暴露合戦になりましたね。ええ・・この3人のハッキングについては、逆にラン班長、ショウ班長が見破っておりました。なので、レンジ=和良司令官がいきなり登場して来た部分も、警戒はしていた訳です。ここに居る今重大な発表を行っているエイジ副班長も、カムイ副班長も俺達・・いえ、特に俺は密命・隠密・・はたまた暗殺班等とも言われ、徹底的に神野元老とは違う組織の黒服の下で動いていましたからね、首班と違い、一発でその相手を見切るような眼力は無いから当然警戒をしていたよ、そこは理解して欲しい」


 エイジは苦笑しながら、

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