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シンカラス  作者: 白木克之
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第10章 波乱

「俺達も実は実験を行っている。それは、この後発表もあるだろうが、先にカイ班長が動物・植物に関係無く、大きな意味で生体と言う範囲ではそれが可能と言う事になる。全く違う論点だが、鉱物においても、その中の原子、電子等にその反響を利用して振動波によって互いの摩擦なのか、或いは原子・分子そのものを揺する事によって発生する光エネルギーなのか?質問したい」

「成程・・レーザー銃の質問だね。その通りの振動・・マイクロ波を利用した電子レンジと言う仕組みは20世紀にはあったが、それは揺らす事による・・もう少し詳しく言えば、分子・原子などは振動の度合いによって温度が決まる。それは食品の中に含まれる水分子をマイクロ波で振動させる事によって加熱するものだ。この分子配列の構造的なもの、プラスマイナスの電気双極子、つまり偏った部分が出来る。それを回転させる事によって摩擦熱を発生させる仕組みとなっている。この仕組みをある意味利用したものであるとも言えなくも無いが、原理はそれとは違う。今、動物・植物の遺伝子にある周波数をあてる事によって、細胞変異の事を言われていると思うが、実はその原理に近いのかも。もう少し時間を頂こう。レーザーは指向性が高い光であり、殆ど広がる事なく直進性がある。色は一種であり、同じ波を持つので、上順位、下順位の壁にその波の山がぶつかりエネルギー差による光を発する仕組みだ。ここにはそちらの専門家も何人か居られるので、大まかに言えば、無線光ケーブルとはその山を螺旋状に捻じ曲げ、またその螺旋状を埋めるように2種のレーザー光が覆う形で、一本の綱のような構造になっているものだ。レーザーを大別すると、固体・液体・気体の3つになる。それらは、目的別にこれまでも利用されてきており、例えば一例を挙げれば稀少金属のイットリウム、アルミニウム、ガーネットを中心としたYAGが基本波長だ。第2高周波、第3高周等様々な用途で、利用もされて来たが、より強いレーダー光を利用したのが、レーザー砲、レーザー銃だと考えれば、後はそれぞれの国によって開発度合いは違うので、一概には言えない。こちらから、そんなレーザー銃があるのなら、今後はオープンにこの場でなった訳だから、こちらに持って来てくれよ、補佐、ラン班長」

「え・・あ・・おう」


 パチパチパチ・・やはりカンジもとんでも無い奴だった。寡黙故に目立つ事を嫌い、密命を受けた実験をしていたのだ。シンは、一気にその事も進展しそうな感を強く持ったのだった。ここで、カンジの発表が少し長引いたので、また休憩となった。

 後はメイ・リー博士・・こちらは一卵性の3つ子で、ショウ、メイ、リーと言う非常に少ない試験管ベビー達である。この第3世代にはこのままでは人口減に歯止めが掛からぬ危惧の中、ウテン、サテンと同じく、多産への舵切りの傾向があった。その成功率については、実は低く、彼らはやっとその実例となったのだが、もはや組織のシステムは老朽化しており、第2世代の主要な幹部達が次々と居なくなり「主要メンバーは実働班」、維持が困難になったのだ。第3世代はまだその時十分に育っていなかった経緯がある。それをシリマツ官吏が指摘し、コウタが主導で人工増員計画を発動させた。今はメイ・リー博士が担っているのだが・・それでもAIが行って来たようなとても繊細な作業と管理は、人為的には非常に難しいのだ。つい最近もT猿人のよる計画を中断した所である。新たな局面を迎えようとしている。ただ、これを進行しなければ幾ら延命、活動年齢をスーパーフード等で延長しても、次世代が居ない事になるのだ。

 そして、小休憩の後で本日最後の報告・発表が始まった。

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