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シンカラス  作者: 白木克之
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第10章 波乱

「じゃあ、次・・補佐にお願いする」

「それでは・・俺の発表は2つだ。今副首班も発表したが、月探索の採取品のリストと、月基地全貌の探索結果を報告する。そして、今も探索の継続中であるので、月基地の主要5か所と、30か所の中継所、ほぼ月面全てに網羅されている交通網は、殆どは破壊されてはいるものの、後年出来た形跡もあるので、これらも含めて付記している。まずは・・パネルを」


 一同が見ると、その数は膨大なものであった。数千を超える機器類、電動車、重機類、計測器、通信機、産業ロボット、武器、PC類・・などである。その余りにも多い収集品と言えば良いのか、殆どはランが行った作業だった。コウタも勿論採取しているが、主は計測器や、研究に役立つだろう資料類だ。

 おおっと感心する全員に、


「まあ、これらは、いずれ使えれば詳細な事をお伝えするが、主題はここでは無いし、ラン班長も後からその事についての報告をすると思うので、問いがあればその時に聞いてくれ。自分は、明らかにA国の月基地が電磁パルス爆裂後もある一定期間耐えていただろうと言う証左と、今副首班が言われた事に合致するような事実も報告したい。太陽風、太陽フレアでは地球も勿論大打撃を受けただろうし、それで衛星が破壊された事も分かっている。どうにか、核搭載の衛星がこれだけは宇宙空間に廃棄されていたのだろう。残存していれば、放射能も検知しただろうが、現在までにはその検出は無かった。放射能除去装置と言うのを過去日本で原発事故を起こし、相当な時間を経たが開発した事もあって、国内には、ほぼそう言う場所も無い」

「あ・・話の途中で誠に申し訳無い。それは月面での事だよね?」


 そう聞いたのはケンだ。彼はそう言う部分は非常に敏感だ。月の報告をしているのに、日本の放射能の検知場所が無いと言うのは、論点がずれている。コウタは、こう言うモノの言い方をするのだ。


「勿論、そうだ。俺は少し幅を広げていたね。月面にそう言う場所及び、原子力を利用した動力源は無かったと言う事だ。新時代には、新たな発電動力が各国で生み出されている。月面の発電は、その鉱物分解熱による発電形式だった。かみ砕いて言えば、光=レーザーだ。だが、それも勿論、本国にあるAIが全てを管轄すると言う形式はどの国も同じだ。A国は何故その太陽フレアによる磁気嵐を耐えきったのかは、月だからこそ網羅出来た、レーザー防護網・・つまり光バリアだと思われる。それが地球大事変にも関与し、地球全体の表土殆どが破壊された、電磁パルス爆裂前の第一波で設備が残った理由と思われる。詳細は表にした。勿論、次に電磁パルス爆裂が起こった事は確かだが、このレーザー砲が発射された痕跡もあったので、併せて報告するが、それはラン班長が発表するだろうから、俺の報告は電磁論文で確認してくれ・・以上。そこで質問を受ける。ケン班長。先ほどの続きはいかがか?」


 コウタは、逆指名してケンにそう言う言葉を投げかけた。

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