第10章 波乱
「何だ、ラン班長・・副首班がどうぞとは言っていないぞ、今は」
シンが言うと、ダンは、
「良いんだ。聞こうか」
「あ・・申し訳無い。実は、俺達回収斑もその鉱山を確認したので・・」
「そうか、だからA国と言う目的と俺の探索が当然関連している話になる。ラン班長の目的が違ってもさ。良いかな?」
「済まない、話を中断させて」
ダンが頷きながら、
「もうある程度分っただろうが、地球外の宇宙基地は、資源奪取だ。また住み良かった地球には大異変後の自国基盤再構築よりも、既に築いてある宇宙基地の方が、無駄な構築をしなくて済む。だから、相当な人数が宇宙基地に回避していた。情報が盗まれる地球上よりも、自国の衛星が飛び回る宇宙領土の方が安全だからな。つまり、次には有効な資源で敵領土すら殲滅させる武器を持つ国が、それを奪取する。俺達は先時代の先祖を愚かと言ったが、その本質は、やっぱり人間と言うのは感情、欲望に支配される不完全生体なんだよ。ずばり言う。月から一発で殲滅出来るレーザー砲の開発だ。それは勿論AI制御の光速攻撃だ。破壊力は一発で100キロ四方を壊滅出来る程の威力・・そうだな?ラン班長、カムイ副長」
「あ・・え・・はい」
ダンが、先んじて彼らに逆質問をした。
「以上・・俺が調べたのは、つまり地球上でこの資源が、ソノラ砂漠に大量にあったと言う事だ。それ以上は分からない、想像して見てくれ・・以上で終わる」
「え・・副首班、それで良いのか?」
シンが尋ねると、
「ああ・・発表は、事実確認の証左だけだ。個人感は、会議を長引かせるし、混乱させる。皆もそうしてくれよ、個人感を込められるとこの会議は1週間やっても終わらないからな、興味のある者だけ、だから後で聞こうじゃないか」
ダンがやはりトップで良かったとシンは思った。会議のやり方でもぴっと締めてくれたのだ。会議方法まで指示した形になった。こうなると、滅多にない大会議だ。色々発表しようと思っていた者は、修正せざるを得なくなった。




