第10章 波乱
「ねえ、主査。例えばこれをロボットに見立てて、動かすCPUって電気信号?それとも振動?或いは、何かの成分なん?」
「え・・それは周波数を与える式の・・タンパク質伝達なんだけど」
「ふうん・・タンパク質が指令を受け取り、そのボタンを押すか・・で?方法として、微弱な信号ってÅは幾らから?」
いきなりこんな切り込みで,まるで機械のような問答にかちんになりながらも、その指摘は今までやらなかった部分である分野なのだ。Åのデータを取っては居ないし、またそれを行う実験用機器も無かったのである。ランは、すぐダンが同じく同じテーマに取り組む事を聞いていたので、アイデアを相談している。ダンは、
「確か・・そう言う機種は・・あったと思う。俺から生体化学班のユーリと言う者が居るが・・いや、お前は産業資料館のデータを持っているじゃんかよ、そこにあるだろ?それなら、探し出して俺に見せろ。その部分なら俺もやって見たい事がある」
と言う話で、その機種はすぐ見つかり、ダンがユーリに使用法を聞き出し、何かは説明もしなかったが、ランがいきなりアマンの所に来て、ダンの画面指示により、テストし始めたのである。それも片手に既にデータベースになるべき、連結方式にすると言う説明も、その時に聞く。産業資料館にあったようなBOX式が一番利便的に良いだろう言う事も、シンが許可したのであるのであった。経緯はそこまでで省くが、
すぐランは、ダンの言う指示を受けてアマンに、
「じゃあ、行うが、駄目だと思われる最高値と何も変化が無いだろう最低値の予測はつく?」
「いえ・・試した事が無いので」
困惑するアマンと、急遽駆け付けたメイ・リー博士達は、
「私達も今までやって来た実験では、確かに今言う周波数のやり方はして来なかったわ、でもそこで何か発現する可能性を否定はしていない。最近になって、超音波によるオオコウモリから抽出した細胞壁が、変化する事をヒントに、試した結果、細胞変異が起きたのよ」
「データはある?」
「ええ・・こちらを」
そのデータはすぐ出て来た。




