1214/1722
第9章 新たなる境地に
「じゃあ、そう言う事にする・・はは。何か変な気分だが、こっちの方が良いと言われれば、時には暴言も吐くよ、主査」
「ふふふ・・どうぞ、お構いなく」
この時、2人の距離はぐっと縮まった。しかし、男女の恋愛感情は無い。前々時代における男女間はそうだったのかも知れないが、既に男性機能を失ってしまったこの時代のシンには、そう言う感情は希薄だったのかも知れない。かと言って、2人がとても近い間柄になっていると周囲はもう分かっていたし、或いはそれは同じ第14班のメンバー達と変わらぬ親愛的な信頼に満ちたものだったのかも知れない。




