第9章 新たなる境地に
「いや、ラン。お前のそれは、狙いと言うのが最初から出来ていて、その段取りと言うか、その部品の検証が同時に行われたスピード感は大きい。そして、その機械的分析が、初めて他国で行われたと言う意味でもな。それこそ、日本以外の他国での科学力・技術力を測る意味においてもだ。そして、もっともっと重要なものはそのメモリの中身だ」
ダンがシンの言葉を肯定すると、
「その辺の記憶チップと言うか、仕組みは共通なのか?ラン」
「いや、違うよ、それは各国独自のメモリ様式にしなきゃ、流通も無いが、した段階で全て解析されちまうだろ?」
「じゃあ・・お前が解析をすると言うんだな?方法は聞かないが」
「ああ・・そう言う事になると言うか、既に方法は入手出来ている」
「まあ、良いんだが・・差し支えなければ、そうそう聞けるタイミングも無いからな、どんな?」
「ふ・・聞きたいんじゃねえかよ、結局さ。でも、副首班がA国に張り付いている事と関連もあるかも知れない。そうだな、ここは首班にも報告する場だから、俺が言おう」
ランがにやりとしながら、画面にカードを出した。
「このカードだけどさ、見覚えは無いかい?」
「え・・そのカードってまさか・・旧鉱山地下道で拾ったものか?」
シンが言うと、ランは、
「そうだ。この時15枚のカードがあって、その内袋に縫い付けてあったのが、3枚のカードだ。この情報は、勿論補佐が持っている。当時の担当だったからだ。そして、その後誰からもこのカードの検証についての指示も無く、俺達はBOXの開示プログラムの事もあって、当然ながらタッチする事も無かった。そこは念を押すが、勝手にやっていない事を先に言っておく」
「そうか・・ああ、分かったよ」
シンが頷くと、ダンも
「で・・そのカードは旧日本政府が持っていて、隠した事になるのかい?」
「あ‥俺に聞く?でも多分そうなるんじゃねえのか?俺はそう思ったけどさ」
「ふうん・・まあ、その事は、何かあの時の発見に疑問符がついたままだったし、で?具体的には?」




