第9章 新たなる境地に
「だから聞いてやれよ、いちいち補佐は口を挟むな」
「お・う」
シンは、少々コウタが学者にありがちな論理追求型のスタンスを、度々注意する。悪意はないものの、これから言わんとする事を先走って質問するなと言うのである。アマンもその点はシンと同じ考えがあった。
シンが言葉を付け足した。
「ショウはさ、パネラーと言う異名を最近では持っている。その昔プロファイラーと言う言葉があったようだが、様々な分析と実証を色んなパズル形式にしてあてはめて行くような作業だ。誰もこいつの真似は出来ない。プログラムでも補佐が良く知っているように、ランには言葉は悪いがな、超抜な発想をするが、所々にバグも多い。それを埋めて仕上げた来たのもこいつなんだよ。だから、現在では2人がタッグになると、誰にも負けない優れたプログラムを作る事が出来る」
「認めるよ・・黙って聞く・・」
ふふ・・アマンはその素直さも、コウタの良い部分だと思って笑った。
「じゃあ・・そこまで首班に褒めて貰うのも恐縮だけどさ。そもそも各惑星、衛星群の中で、主要星を握ったのは星の大小じゃなく、一番地球に近く、且つ様々な優位的な資源もあるし、行き来も近く資材も送りやすい、月なんだよ。それは誰も認めている。次には金星だ。ここには衛星が無いと言われていたが、実はあった・・と言うか、人工衛星に仕上げたんだよ、大きさ数十キロ程度の衛星とは言えない岩の塊をな、ここがT国の主要基地となっている。知らなかっただろう?火星にも確かにT国の基地はある。しかし、大きな規模を有していないんだよ」
「初耳だ・・」
それは、誰もがまだ知らない情報だった。コウタは次に火星を探索したいと言っている位だからだ。
「つまりさ、領土の問題では無く、他の惑星・衛星にしても居住すると言う部分については、どうしてもロケットを発射する方式では、全て各国の偵察衛星及び監視網に筒抜けだ。かと言って大きな戦争を回避している現状下、その状況で戦争をしたら、どこかの国は消滅する・・もはや睨み合っているだけで、何も出来ないんだよ。最後には核がある。もうそれが地球壊滅する事は必然だから、そんな俺達も常々言っているように、最後の最後の手段である馬鹿げた結末まで分かっているからだ。そこで・・その核を使用されれば一番困る相手は誰だ?俺は思った」
「それは‥だって今言ったじゃん、どの国もだと・・」
「だろ?そうなんだが、俺は違うパネルをあてはめた。これまでも月や火星や様々な太陽系内の惑星、衛星に人工的な施設、モミュメントが人類が基地を構築する以前から存在したかのような或る意味SFチックで、根拠もない話もあるが、実在する画像の真偽も言われ続けて来た。UFOの存在についても、実際今のMSI飛機を見たら、誰もそうだと思うだろうしな」
「ああ・・そうだろうなあ」
ランがその手の話が好きなので、相槌を打つと、




