第9章 新たなる境地に
「ああ・・勿論さ。例えば、これを現組織のメインコンピュータにすれば、独自のコマンドを入れて稼働させる事も可能だ。だからさ・・色んなミッションの今後大きな力となる。そう思ったんだよ」
「じゃあ・・初めから、補佐はそれを・・」
「ああ・・今主査も笑っていたが、勿論各種武器は特に熱心に収集して来たぜ?な?ラン班長」
あははは・・笑いが起こった。使う必要も今無い武器であるが、他国がどんな武器を保持していたかの参考にもなるし、今度は宇宙戦争に備えてやっぱりこう言う目論見があったのだと、この後に及んでも、人類滅亡の危機下でも武器開発、情報収集合戦は続いていたのだ。笑うタイミングでは無かったが、ランは純粋にこちらは趣味の方を先行させていたのだ。ここで、シンは釘を刺した。
「まあ、とても優れた案であり、またお前達の能力も賞賛するけどさ、今後はその20Dプリンタの用途は全て俺に報告しろ、良いな、ラン」
「え・・あ・・うん・・」
アマンは、やはりにこりとする。コウタが例のミッションの役に立つと遠回しに言っているのに、ランとカムイの頭の中は、武器をコピーする事を先に考えていたようだ。そこを先制攻撃されては、もう勝手な真似は出来ない。だが・・良くやってくれたものだ。その点は大きなやはりこれからの前進に繋がるだろう。シン達は思った。
「じゃあ、解析が出来た段階で、このモノを動かす基本的考えや、電力の供給源をどこに置くかの相談をする。他に何か報告があるか?」
「あ・・俺から一つ」
コウタの手が挙がった。
「どうぞ・・そうしょっちゅうはこれから会議も出来ないからさ、まあ、この会議は優先をするが」
「うん・・そこでこれだけ言っておきたい。今は月の探索を主に行っているが、これから金星の探索も行いたい。以前より金星には衛星は存在しない。水星もそう言われていたが、実は発見されていたんだよ。ここは、R国が急速にその先進国としての経済力・軍事力もそうだが失ってから台頭して来たI国が、真っ先に金星を周回する小型衛星を占拠した。価値も無いと他国は見向きもしなかったが、日本はその地球に非常に近い金星に注目していた時期があり、かなり詳細なデータが産業資料館に残っていた。この時代はもう開発力の持たない国は衰退の一途を辿り、新たに逆に人工が減りスリムになって、国力をその方向に高めた国がのし上がって来た構図が見えて来た。俺達はさ、本当に何にも知らない赤子の状態で、いきなりシンのように野外に放り出され、或いは切り捨てられたかも知れない中で、ここまで来た。今もそうだ。何の為に俺達はこうやって日々知恵を絞り、仲間と相談をしながらやっている?解明しなきゃならないんだ。そして、本当に電磁パルス爆裂に至るまでの過程を追求しなきゃならないんだよ。だから、金星を調査させてくれ。このランの手柄で、それはきっと生きるだろう」




