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シンカラス  作者: 白木克之
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第8章 シンに初めて助手兼秘書が・・

「だろう?奥まで侵入させているが、途中が崩落したような場所が幾つもあるし、更に迷路になっているので、ショウの所で今プログラムを作成して貰って、立体的な画像にしようと考えているんだ」

「そうか、ショウも引く手数多だな、最近は色々頼まれているようだぜ。だが、優秀なスタッフを10人送り込んでやった。一人ではきついからな」

「そうか、俺も余り無理を言うつもりも無いが・・」


 少しリンはショウが負担になっていると観じたようだ。しかしそこはシンだ。しっかりとサポートはしていた。この探索は、きっと何かのヒントになって来るような予感がした。


「まあ・・現状報告はリンの海底洞探索で、俺達も今は現地に行かず、バーチャル探検を主体にやっているから、Ⅰ国の今探索をやっている所だ。ケンがそっちを主体にやっているから、こちらもケンから報告を・・」

「じゃあ、ケンお前も頼むよ」

「ああ・・」


 ケンと話をするのは久しぶりだ。今マコト達と中部支部(旧愛知県)付近に居て、かなりの機材を持ち込み、バーチャル探索を行っている。犬達もケンと今一緒に行動し、ここでは山切りの木がかなり大きく育って来ていて、大葉も周囲に緑大地を形成している。擬ガジュマルの木も海沿いに移植され、こちらもかなり増殖しているようだ。ケンが言うには、一番日本中で住み良い場所になるだろうと言う。そんな話を以前からしているが、そのケンの話が興味深いものになった。彼らは着実に何かに向かって進んでいるのだ。


「I国には大きな大河があった。しかし、現在では殆どその河の痕跡が所々の湖に残っているが、小さな小川程度だった」

「ああ・・俺も地球周回をしている時に感じていたよ」


 シンが答えた。


「その中でさ、幾つかの大きな湖に探索に入った。I国も大地は荒涼とした砂漠状態で他国と変わりは無い風景だから、探索するにしてもその大地をくまなく周回するのは、自動探索機のMRで十分だろうしな、T国のように緑の森林がある事も無く、擬ガジュマルの木も、確かI国出現と聞いていた割には一本も生えていないんだ。そこは疑問に思いながら、とにかく湖に何か生物や植物が無いかなと思い、リンと同じように深海艇で潜って見た」


 ケンもリンと同様に幾つかの湖底の様子や、その湖の中を周回して観察した事を説明し出したのである。

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