第8章 シンに初めて助手兼秘書が・・
「その視点で見れば、血流も動線も同じ事で、その肝となる今の探索主目的に沿って、首班が第14班、第20班を副首班が率いてやっている訳だ」
「副首班も同じ方向・・?」
「やり方は違っていても、今調査しているアリゾナには、スーパーブルームの痕跡があったと言う痕跡がある。そして、岩塩の鉱山を言い当てた副首班には俺達と違う切り込みがあるんだろうなと思っている。つまり、俺達がやっているのは、生体学であるとかヤモリなどの捕獲分析を含めてそのDNAに至るまで、何で歴史上にも全く登場しなかった生体が登場するんだと言う謎だ。俺達は、対馬でも又オオコウモリでもそうだし、今現実に見ている生体は、全て遺伝子の書き換えや操作と関連があるんだよな、している中からは、突発的遺伝子の発現を期待している部分も見逃せない」
「それがオオコウモリだと言いたい訳だな?」
「犬もそうだろ?どう見ても『戒・愁』の2匹は、普通の犬じゃない。そして奇跡的確率だと思うが、雄雌の二匹が誕生した意味は大きいんだ。その子孫が『銀』を筆頭とする優性遺伝子だと思う」
「やっぱり、そう言う遺伝子発現なんだな、確かに普通の犬とは全く違うなとは思っていた、容姿はともかく身体能力が違うんだよな」
「ふ・・それは首班達第14班初期の5名だと俺は思うがな」
「おっと・・補佐、それは禁句だろう?俺達は仕分けをされたくねえぞ?おい」
シンの眼が異常に鋭くなった。珍しく本気で怒っているのである。コウタもしまったと言う顔になり、
「申し訳ない!他意はない、どうか失言を取り消させてくれ」
コウタは、心よりそこで謝罪した。どうも、そう言う部分は学者であり、TPOと言うか、ここにはショウもアマンも居るのに、軽い言葉に聞こえてしまったようだ。
「良いよ、もう。だが、言っておく。俺達は共に特別な存在であるとか、他の者と違うんだなんて感覚は持っていない。そして、俺達がもし他の者と違うと言うような印象を組織内に与えて見ろ、この先俺が首班と言う座に君臨する今まで否定して来た、独善的、破滅的階級組織、絶対的君主のような立場になっちまうだろう?神の存在を何千年も人類は信じて来た。いや・・心の弱さの中に絶対的な精神的支柱を求めたんだ。そして、その存在は架空のものであったとしても、自分達の置かれた現状から逃避したい気持ちもあるのかも知れない。又何もかも信じられない不信感の世の中で、不遇でその崩れ去りそうなものを掴もうとしていたのかも知れない。正に今の俺達がそうなのだろう。だが、そこに神なんぞ居ないんだ。誰も奇跡が起きる事なんて信じてもいないさ、だってそうだろ?人間が人間による破壊活動、滅亡の歩みの中で、こう言う現状になっちまったんだ。そして、人間では出来ない部分をAIに頼り切った。神のようにだ。その結果、どうなっている?瀕死の俺達が、どうやって今生き延びられるかやっている所だろうが、おい、補佐」




