第8章 シンに初めて助手兼秘書が・・
「どこかに動力源がまだ残っていると言う事かい?」
「ええ・・私はその事をずっと調べて来た。今は勿論皆無よ、でも第1ドームは残っていたし、新たな電力供給も出来るようになった。太陽光パネルは旧時代のものを設置すれば、発電は出来る筈よ。それこそA国のような広大な場所なら、どこでも可能でしょう。風向きなど調査し始めたんじゃないの?細かい粉塵が、もし設置した後でパネルに付着したら発電力は下がってしまうものね」
「驚いた・・俺達の行動が君には見えているかのようだ」
「いえ・・長期に観察行動するとなると、或る程度蓄電池の供給は出来るでしょうが、現地で発電する必要もある。丁度今の場所なら、殆ど元々降水量の少ない地ですもんね、それに背後に岩山がある。砂嵐が起きても、背後からは風は来ないから設置するには適した場所だと思って」
「まさに・・その通りだよ。拠点と言えばおかしいが、副首班はこの足掛かりをまず構築したいと言う事だ。隊長の悪口を言うつもりじゃないけどさ、俺も一緒に行動した者として遠望は無かったなと思ってさ・・副首班には全てに遠望がある」
「まあ・・ふふ、でもそこは流石に言えない、勿論黙っているわ。じゃ、ズバリ聞く。又こちらの現情報の中で知りたい事があれば提供したいので、お願いします。放射能の測定は、もう済ませたの?もともと数々の実験場もあったし、核製造拠点もあったので」
「ああ・・ほぼ地点は調べて登録した。新時代には日本が放射能除去装置を持っていたようだけど、勿論だけど、現在においては、そんな事は不可能だ」
「だけど、ノウハウはある。そうでしょう?」
「うん、それはきちんと収蔵もされているからね」
「なら、部長がお考えになる事でしょうからね、その判断は首班及び副首班がなされたら良いと思うので、私もそれ以上出過ぎた話はしません。で、本当に聞きたかった事は、A国に豊富に埋蔵量のあるシェールオイルの事なのよ。それはまだ調べていないかなと思って」
「待って・・それは主査、飛躍し過ぎでは?もしそれがあったとして、とっくの大昔に化石燃料を使用する国などは消滅していた。それが何の役に立つと言うのかい?」
「その返答だと、調査の対象には入っていないと言う事ね?」
「いや・・そうとは言ってない。資源の探索である以上、A国には資源的に見ても数多くの鉱山もあるしね、でも、あるのに掘らないと言う経済大国らしい他国から買う方がコストが安いからとか、色んな思惑で採掘しなかった資源も多いんだよ。そう言う意味においては、これから行う可能性もあるさ」
「それを聞きたかったの、分かりました」
「だったら、逆質問させて頂くよ。君はM国の資源についてどう思っている?塩は確かに大昔のように塩水から採るアナルグなやり方は出来ない程地球環境的に汚染されていた。故に、日本はM国の地下に埋蔵されている岩塩に眼をつけたと言う事だけど、電磁パルス爆裂後においても、土中に沁み込んだ汚染水がその地下資源の岩塩に影響が出ないとは言い切れない。その辺をどう思う?」




