第8章 シンに初めて助手兼秘書が・・
「ああ・・そのデータなら、ショウの方が詳しいでしょう。今から全員でも見ましょうか?」
キョウがショウを指名した。そのショウはにこりとし、
「あ・・俺が熱心にデータ整理しているのを室長は知っていたか」
「ふ・・お前が非常に几帳面であり、分析力に優れた者である事は良く知っているさ。メイ・リー博士と常に連絡もとっているし、主査もそうだろう?」
「あ・・」
アマンは、キョウにそれを言われて口を噤んだ。この幹部達は、もともと隠密班だった。色んな情報は、当然今の地位であれば入手も出来るし、自分達も関わる事とし、互いにシン達とも共有もするだろうから、驚く事でもない。また、今はシン斑として活動する身近な仲間になったのだから。
「ふ・・驚く事でもない。組織は各所に散らばっているとは言え、俺達は管理する側に嫌な言い方になるが、立たざるを得ないんだ。組織はもう隠密班とかアンダーグラウンド的な形は無いからね、このシン班に加入したからには、隠そうとしても無駄だ。全てオープンになる、ははは」
「ふふふ」
その言葉によって、アマンも心から打ち解けた。それは、シンの存在そのものがそうさせるのだと理解した。アマンは自分の知り得るものを全て出して、協力しなければと強く思うのだった。
ショウがPCのキーを叩くと、4D画面が現れた。画像形式としては古い時代のものだが、非常に鮮明で、図鑑形式のように全体像や長さ、胴周り、体重などこと細かく分類されている事が分かる。
「ほう・・ショウ、お前はすげえな、図鑑のように画像も鮮明ながら、俺達分析をやって来た人間から見ても、完璧以上の出来だ」
コウタが唸る。彼がこんなに他の者を褒めるのは珍しいのだ。
「まあ、性格なんだろうな、俺は超几帳面だと言われて敬遠されていた。しかし、シンが班に呼んでくれて、それはお前の長所だから気兼ねせずにやれ、必ずそれは生きて来るだろうとすぐそう言われた。そしたらランもそうだが、俺なんかより皆も優れた部分があって、ケンにも最初はいじられたが、それは逆に俺に色んな事を教えてくれていたんだよ、だから補佐からも学ぶし、室長にも学ばせて貰うよ、またアマンもメイ・リーとずっと同じような研究もやって来ている。そんな者達が身近に居るって事に気づかず、何でもっと早くそれをしなかったのかと俺は悔やんだ、でも、遅くは無いから今から出もやろうと思ったんだ。でも、この選択はベストだと思う。そして、副首班はもともと自己判断が出来るタイプ、自由に動かした方が、ずっと良いとシンは前々から言っていた。だから、最近は単独行動をさせる為に、色んな隠れミッションをやっているんだよ、お前達が一緒になったから言えるシークレットだけどな、ふふふ」




