第8章 シンに初めて助手兼秘書が・・
「ほう・・でも、宇宙エレベータの発想は誰も思いつかなかったと思いますけど・・」
「いえいえ・・それをオープンにしなかっただけでしょう。各国との情報戦争の中、技術を持たない、宇宙には興味もないと立場を示すのも戦略ではありませんか?出来なかったのでは無く、しなかっただけの事のように私には思えるのですが・・だって、私ごときの博士号すら持たない技術屋が、こんな事を思いついて発明出来る訳も御座いません。しかし、応用科学と言うのは確かにあります。それが日本の技術屋としての本流ならば、私はむしろそっちの人間で御座います。それよりも、この捕獲生体をどうされます?観察容器は勿論準備されていると存じますが、カマドウマも多くは無いですが・・」
「え・・餌も捕獲して来たのですか?」
「ええ・・じゃ無ければ、生け捕りした意味も無いではないですか、あはは」
「まあ・・そうっすけどね、ははは」
この切り返しには全員が笑った。その捕獲生体をまず見ようとシン達も椅子から立ち上がり、捕獲ケースに。収納する飼育室は用意されていて、3重の構造になっており、また監視カメラが360度方向から見えるように調整されているし、ゼニゴケも食料となる事は知っているので、こちらはマコトとショウが収穫してきている。
「数匹は恐らく解体して調べる事にはなると思いますが、このすばしっこさこそ、本来この生体が持つ最大の特徴でしょう」
コウタが言うと、キョウも、
「そうだね、とにかくこのセンサーはとても優れている機能だ。自分が今まで知り得るどの生体より特異的だ。尤も、M国の生体達全てが謎ではあるが・・」
「まあ、俺達にとっては未知の土地、初めて見る生体達だ。特殊な地形もそうだが、ここで日本がM国と何かの実験や開発を行った事実だけが残っている。つまり、この生体の資料は必ず出て来ると思う」
シンが言う。アマンが、
「もっともっと調べなくてはなりませんね、このヤモリが小さいからどうにか捕獲作戦となりましたが、実際草食恐竜、肉食恐竜の事は何も分かっていない訳ですから」
「ちなみにさ、大蛇のデータはどうなんだ?」
マコトがここで聞く。




