第8章 シンに初めて助手兼秘書が・・
「ある程度予想されていたんですね・・ふ・・でも、俺にはショウと部長の運動能力を信じた部分がありましたが」
「つまり、予想を上回る動きがあったようです。それを分析しておりました。本当に不思議なんですが、センサーでも装填しているかのように、アームの動きは、シン首班の言われるように見事なものだと思います。しかし、そのアームの動きを察知するかのように、ヤモリは距離を一定に保ったまま移動するのです」
その画像をケンシン部長は見せてくれた。コウタ、キョウ、アマンも
「ほう・・本当にとても敏感に反応している。つまり、このヤモリもオオコウモリのような超音波察知で、暗闇でも動けると言う事に起因しているのですかね」
キョウが問う。ケンシン部長は、
「あ・・そこは補佐、室長の専門分野で御座いましょう?私如きが・・」
しかし、キョウは、
「はは・・だから捕獲して調べるんです。俺達も何も分かっちゃいないんです。ただ、大蛇とは全く違う系統の生体だとは思いますが」
「はあ・・成程捕獲作戦の一端が分かりました。ならばなお、慎重を期さねばなりませんし、作戦を完全遂行出来る手段も講じねばなりません。私の考えを言います。この生体を眠らせたり、一時的に動けなくするガス弾などは使用出来ないと最初から思っておりましたので、とにかく捕獲生体の後方にMSRを待機させ、奥には逃げないようにガードしておりました。その事は、隊長とショウ班長には伝えてあります」
「側面ガード、頼もしく思います」
シンは微笑みながら感謝した。
「そこでですね、このすばしこいヤモリには大変私も興味がありまして、その動きをデータ化して見ました」
「データ化っすか?」
コウタもキョウも眼をくりくりとした。
「ふふ・・」
アマンは少し笑う。狙いが何となく彼女には分かると言うのだろうか。シンは思った。




