第8章 シンに初めて助手兼秘書が・・
「実はな、あれは全て無精卵だったんだよ、卵は産む、しかし、肉食竜も含めて、卵は全て無精卵だった。そこからの孵化は認められなかったんだよ」
「え・・だったら、何で増殖?」
「室長・・そこだよ、だから大きな疑問が湧いて来た部分は」
「そうか・・そうだったのか、じゃあ大きく調べる余地があるよな、まずこのヤモリの捕獲が先だ」
「だから言ってんじゃん」
コウタが仏頂面で突っ込んだ。
「ぷ・・」
アマンが噴き出した。この幹部達は、普通の雑談のように会話しながらも、とんでも無い事を言っているのだ。そして、やりとりについても互いに信頼が無ければ、とてもこんな会話は成り立たないと思った。しかし、やはりアマンの少しほんわかした表情は、彼らの緩衝材にもなるし、良いタイミングで加入して来たものだ。彼らの表情が緩んだ。そのアマンが言う。
「前に言われていた日本のドームの構造に、網目状の繊維の束、そしてタンパク質、また微生物が排出する糞に模倣した、自動修復機能、私は今の話を聞いていて、何となく共通したものがあるのでは無いかと思いました。和良司令官が天才的な学者であり、策略家であろうとも、その基となる書籍や理論は、どこかから引用し自分のものとして熟成出来るヒントがある筈です。つまり、そこにこそM国と日本の最新鋭の仕掛けがあるのでは無いかと思います。まさに地下要塞がこの地ならばこそ出来つつあった、又は完成に向かう迷路こそが今補佐の言われた二重螺旋構造だと導けば、完全無欠と思われて来た光ケーブルの唯一の弱点も見えて来るのでは無いかと存じます」
「おう・・・」
3人はその言葉に思わず、言葉を呑んだ。これがアマンの優れた認識力・分析力であろうと感じた瞬間であった。
この時ケンシン部長から伝達が入った。まるでタイミングを測ったかのような提案でもあった。
「部長、何か?」
敢えて聞く、シンだった。




