第8章 シンに初めて助手兼秘書が・・
「色々含まれている中に、成長を促す酵素が幾つかあって、それが土壌の分解にも役立っている。つまり、擬ガジュマルの木にとっても安定した成長を保証するようなものだな」
「何・・じゃあ、今移植されている擬ガジュマルの木には、そのみみずが必要なのでは?」
「その分、海水と言う媒体が代わりの栄養分を与えているのさ、成長度合いは確かに違うが、即ち擬ガジュマルの木とみみずも共生関係になっている訳だ。ただし、T国ではの話で複合的だと言うのはそう言う事だし、果実の一本の木に対する成熟量にも違いが出て来る。またその果実の中に含まれる栄養分とか、細胞内の液胞にある果汁であるとかの違いだ。ここではエチレンによってやわらかになるかどうかの違いも出て来る。つまり、説明すると長くなるが、全て複合的な要因なんだよ」
「ふうん・・やっぱりその土地、環境によって目的の方向も違って来る。これはT国の狙いでもあった訳だ。そこからどう今度は全く関係の無い話のように思えるが、ヤモリの件とどう繋がって来るんだ?ショウと隊長が相当苦労しているから、今休憩の指示も出した。あれから肉食竜は封印しているから、通信路には出て来ないように監視もしているがな」
シンは、どこでどう繋がって来るのかを頭の中で高速分析しながら話を聞いている。その様子を見ながらアマンも、そこがシンの、首班の地位に居る最も他の者とは違う能力を感じていた。
「ああ・・実はそこから全く関連性も無く思えて来た、増殖遺伝子と成長遺伝子がほぼ人工的に作られたと言う部分の話に入るんだよ、補佐、そこからはお前が頼む」
「おっと・・いきなりバトンタッチか・・じゃあ、補佐聞かせてくれ」
シンは、今頭の中で聞いた部分を整理し終わった所で、又ぞれぞれの分野の専門家が言葉を付け足すこれも複合的な流れを感じていた。だから多岐に複合的になると言う話なのだなと思った。
「つまりさ、学術的探究を話し合う場じゃないし、ヤモリ捕獲ミッションの途中だ。彼ら程の運動能力を持つ者達が、容易に捕獲出来ない程の生体だとは今更ながら分かるが、作戦も少し練り直す前に、かいつまんで首班の顔を見る限り、簡潔に言えよと思っている様子だから言うよ、つまりさ、恐竜の存在は、大蛇とは全く別だと考えている」
「ほ・・そこなんだよ、俺は違和感を持っていた部分なんだ、だけど、何のとっかかりも無かったけどさ」
「うん、それはサンプル的に今行っている捕獲作戦に繋がるものだから、今からと言う部分だし、みみず、回虫の説明もやはり順を追って主査も話をしたし、主任にも補足をして貰った。じゃあ、ずばり言う。恐竜は人工遺伝子だと思う」
「・・人工遺伝子だって?」




