第8章 シンに初めて助手兼秘書が・・
「じゃあ、室長、補佐、主査、よろしく頼むよ。ふ・・皆が短い役職名で呼びやすいようにしたまでさ、やる事に殆ど変わりは無いかも知れない。ケンシンさんはそうだな・・ケンシン部長とでも呼ばせて貰おうか、部長と短縮名で呼ぶよ、何時までもケンシン開発室部長や、ケンシン研究所長とか、色んな呼び名で応答するより、分かりやすいだろ?マコト兄も、隊長で良いじゃないか」
「成程、馴染みやすいかもな、じゃあ、補佐・・説明してくれよ」
彼らには、やはり何の職制など問題も無かったようだ。ただ、組織と言うのは階級を異常にこだわる者達も居る。それが、がんじがらめのような官僚機構を作って来た事を知っている。即ちそれこそが、組織の瓦解と言う事を招いたのだ。彼らはそれを新時代のやり方で改めようとしている部分もある。
「ああ、細胞分裂の過程で幾つかのパターンがある事はこれまで知られていたが、今回M国での捕獲大蛇は、確かにアナコンダのDNAを持っている。だが、そこから成長遺伝子を確かに持つものが今回捕獲の大蛇だ」
「うん・・それは大きくなれる要素があって、成長遺伝子とはその細胞自体が大きくなってもそれに見合う成長にマッチする事が必要と言う事だろう?」
「その通りだ。闇雲に大きくなるだけだと言うのなら、細胞はその成長に追いつかず崩壊してしまう。だからこそ、そのマッチングが必要になる」
「だから大蛇か・・」
「ああ・・蛇にはそのマッチングの適合があったと言う事さ。ここはこれで良いかな?」
「ん・・?先がある・・?」
シンは顔を上げた。
「ふ・・それだけの事なら、シンの認識範囲だから、敢えて説明する必要性も無い。ここから先の話には、推論も含まれるから分けて聞いて欲しいんだ」
「聞こうか・・」
「このヤモリ風の両生類も、その要素があると思っている」
「それが・・恐竜の子だと言う論証になるのかい?」
「待った・・確かに恐竜の子だとして、その見方は違っては居ないと思うが、一方で別種だと言う事もある訳だから、捕獲に踏み切っている、だよな?」
「そうだ」
「俺が補足しよう」
室長が、ここで話を繋ぐ。




