第8章 シンに初めて助手兼秘書が・・
「成程・・尤もだな、で?大蛇の事をもう少し詳しく聞こうか」
「つまり、何重にも施した進入阻止の防御壁のような生体では無かったのかと・・そして、それは、日本でも和良司令官は開発していた」
「じゃあ・・その仕組みを和良司令官は知っていた、或いは研究をしていた事になる」
「ああ・・目的とは、つまり対馬海洋研究所への到達阻止や、産業資料館にあったと見てはどうだろう?和良博士程の人ならば、大蛇に育てる事位難しい事では無い。何故なら、DNAはそこに保管されているからだ。当時の状況からして、そこから入手するのは難しい事では無い。自ら研究者なんだからな」
「そう言う論理で行くと、M国にはやはり生存者が居る前提になるよな」
「勿論・・システムが健在である事を想定して、探索を行う以上、また俺達の世界に向けて行動範囲を広げた経緯においてもそう言う目的じゃねえのかよ」
「分かった、分かった。それ以上言うな」
シンは、やはりめんどくさい言い回しで反論するコウタとの会話を遮った。そして逆質問に・・
「じゃあ・・M国地下通信路に居た大蛇と、和良司令官が阻止するために動かせた大蛇とは?」
「関連性が無いとは言えない。ただ、地下通信路が非常にその生育には適していた事だろうな、それには共通項がある」
「成程・・必ずしもM国と関連性は結び付けなくても問題は無い・・ただ、情報としてそう言う研究を入手していた可能性もあるか・・」
「シン首班、私も同様に考えます」
アマンがここは同調した。シンは、コウタに、
「だとしてだ・・今の予想通りのヤモリ捕獲が、敏捷で思うようにいかない部分をどう見る?」
「あ・・その前に、少し大蛇の分析結果がある。日本の大蛇は、白頭の群れが悉く食っちまったからな、そこを証明する手立てはもう無いからさ」
「ああ・・コウタ、そこを聞こう。その前に、お前らはシン班に加わった、だから役職名を伝達する。これはダン副首班にも後から通知しよう。キョウ、お前は室長で行け、今日からキョウ室長、或いは部長とも呼ぶ。コウタはもう所長の立場を明け渡し、補佐と呼ぶ。つまり俺の補佐と言う立場で動いて貰う。文句があるか?」
「いや、全く無い。シン班に加入して一緒にやりたいとずっと思っていた。だから、むしろ、役職名等なんて関係も無いし、組織はお前がまとめるものだ」




