第7章 宇宙へ・・
「もう少しさ、シン・・お前は細かく指示なんてしなくても良いから、お前の言葉を正確に伝達させる役目を誰かに頼め、俺もたまたま傍に居たから、お前の意を汲んで言えたが、いつも傍に居る訳じゃない、お前、アマン副長を傍におけよ、その人事異動を発表する場に戻って来たらすぐやれば良い」
「え・・だって、マコト隊長の今一番の・・」
「マコト隊長には、別の役目がもうあるんじゃないのか?M国が残っている。副にはショウが一番適任だと思うがな、右腕と言うか、もう同格でも構わない、むしろ、シン第14斑の再編成だ。マコト兄をこっちの第14班に引き入れ、一緒にやる方が良いよ、きっと」
「そうか・・お前はそんな事を・・ちょっと考えさせてくれ」
シンは頷きながらも、少しそこは熟慮が必要だろうと思い直した。
「ああ・・良く考えてくれ。恐らくさ・・マコト兄は、そのまま俺達の班でやる方が能力を発揮出来ると思う。それに、あんな極地でこれ以上探索する意味もない、無人機で十分さ。だろ?結果、何も無かったんだからさ。マンモスや凍土の中から色んな微生物や細菌が出て来たのは、想定内だ。又有用な鉱物や貴金属も、俺達が製造出来る以上に必要性など全くない。むしろ、M国の岩塩の中の方が加工も取り出しもしやすいもんな」
「はは・・やっぱりダン・・お前は今相当M国に入れ込んでいる事は分かった。でも、その通りだよ、*A国の探索なんてむしろ無人機でも構わないと思っている。放射能のリスクを負う位なら、そうだな・・ショウと同じバーチャルル探索を訓練して貰うか・・マコト兄の身体能力ならば、すぐ操作も出来るし、ショウはもっと細かい作業も担当出来ると思うしな、アマン副長程の人材を、ダン、お前が言うように宙に浮かす事は勿体無いよ、分かった・・話をしている内に固まったよ、何となく」
「ふ・・めちゃくちゃ判断が早えじゃん、今熟慮するって言ったばっかりなのにさ」
*A国の探索は、ダンがその後必要性を感じ彼が中心に行う事になる。
シンとダンは笑った。




