第7章 宇宙へ・・
「だからな、かなりの部分で、俺達はもう少し内部のレベルアップとかコミュニケーションを重視し、ここは散らばってしまっているが、旧ドームの者達をもう一度、同じ方向性と言えば、思想的教育に聞こえてしまうが、自分達も参加しているんだと言う意義を与えねばならないんだ。だって、再び生活圏が広がれば、各セクト形式と同じようになっちまうだろ?そこを神野元老とか,黒川主査にサポートをやって貰っているが、幹部が日々の事に忙殺されてしまったら、俺達は何を一生懸命やっているんだって思うだろう?実際そう感じているメンバーも少なくない。何で俺達だけが、最前線なんだってな。だが、やっぱり今言う人材の不足だし、人口たった5万人から殆ど増えては居ないんだよ」
「そこは・・うん・・正直俺もそう思っていた部分はあるが・・でも」
「ストップ。最後まで言ったら駄目なんだって。だからな、ショウ良く聞け、長話になっちまったが、ここは俺とお前のコミュニケーションの場だ。他のメンバーともしょっちゅうこう言うやりとりをやっているし、俺はその事を苦にも思わないし、必要だからやっているんだ。そのお陰で色んな知識も吸収している。だから会話を俺は大事にしたいんだよ。全部それでも言い尽くせる事も無いけどさ」
「じゃあ・・言ってくれ。そのヤモリを捕らえるミッションの事をさ。ここまでで良いよ、もう俺の中ではシンの伝えたかった事は分かったから」
「そうか・・じゃ、言う。このヤモリ捕獲ミッションはランと同じ、アームを使うバーチャルで行う。ただし、簡単じゃねえぞ、むしろランの方が簡単にやれるかも知れない。でもさ、そこは相手は動く動物だし、体に傷をつけてもいけないんだ。単なる捕獲では無いんだからな、繊細な作業はお前しか出来ないと俺は思う」
「単なる捕獲では無い・・?どう言う・・」
「M国探査は事実上棚上げになっている。勿論無人機が日々観察も行っているが、大きな部分での日常には殆ど変化も無いし、大蛇もあれから見かける事も無いんだよ、おかしいだろ?」
「日本に居た1匹といきなり現れたあの1匹だけとは思い辛いよな、うん・・」
「だろ?その鍵を握るのが、ひょっとしてヤモリなんじゃないかと言う推論だが・・」
「成程・・恐竜の存在も、あの空間も何でそこにあるのかと言う部分も含めて突破口になればと言う事だな?」
「ああ・・難しいぞ、何と言っても現地の小型MRに、捕獲用アームをお前がこちらでゴーグルをつけ、遠隔操作で動かさねばならない。お前はそれならランが適任だと言うかも知れないが、俺は今言ったようにお前しか居ないと思ったから指名した。どうだ?それでも乗り気にならないか?」
「いや!喜んでやらせて貰うよ。むしろ光栄な事じゃないか、他の者に指名しないでくれ」
「はは・・良かったな。お前が断れば、このミッションを中止しようかと思っていた所だ」
「いや・・いやいやいや・・そんな重大なミッションなら、喜んで!」
ショウは、俄然やる気を出したのだった。




