第6章 思わぬ事態
そのままシン達全員が後をついて行く。『伴』はランのMSI飛機の横に待機したままで、動かなかった。
そこは、最奥と思われる岩盤が突き当たる場所で、かなり薄暗かった。周囲にはまばらではあるが、ゼニゴケは生えては居るが・・
「ワン、ワワン!」
その『銀』が吠える場所をシン達は見つめる。途端に
「おお・・それは・・卵か?恐竜の・・なら、やっぱりここで繁殖をしているんだよ」
かなりそれは恐竜の大きさに比例するもので、2つ並んでそこにあった。大きさは30センチ程だろうか、楕円形のラグビーボールのようだ。暖めている様子も無い。恐らくこの地底温度で外敵も居ない事から、自然に孵化するのであろうか・・。
「どうする?このままにしとくか?」
リンが聞く。
「当然だよ、何でそんな事を聞く?俺達は何時も言っているじゃないか、デストロイヤーではいけないってさ。こいつらこんなに平和そうに暮らしているんだ。ここを何も干渉するつもりは無いよ。ダン・・お前の読み通り、ケンシン部長が幾ら多産製造型とは言え、*10Dプリンターでこうも早くに小型MSI機を開発してくれた。超音波砲がこの草食恐竜に効かないとは皮肉なものだが、逆にリンがすぐ察知したように、視覚も非常に弱いようだ。ここで、ゼニゴケを喰っているだけなら何の害も無かろう。そして、お前はよくぞ見つけたな。ひょっとして擬ガジュマルの木が有効かも知れないぞ、このM国では」
「ふうむ・・・だとしたら・・この12通信路それぞれにどこか空間に連結しているんじゃないのか?そして、そこには岩塩のある共通項があるかも知れない。勿論、推測に過ぎないがな」
「おい、ラン。何か情報が入って来たか?小型MSI機からさあ」
「待って・・ショウ、こっちに来てくれ。画像の処理が結構やっかいそうだんだよ」
「おい、ショウ、見てやってくれ」
「俺も行こう」
*まだこの時点では10Ⅾプリンタだが、少し後になり、15D、20D、30Dプリンタ等も使えるようになってくる。
ダンもランのMSI機に向かった。シンとケンとリンが犬達の頭を撫でている。草食恐竜はうごきもゆっくりで、もくもくとゼニゴケを食べている。丁度ゼニゴケの植生と草食恐竜にとっての食が充足しているようだ。




