表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シンカラス  作者: 白木克之
1068/1722

第6章 思わぬ事態

「そうそう、ショウ、お前はもっと前面に出て来い。なんで何時もそんなに遠慮がちなんだ、お前は自分の感覚をまだ開放していないだろう?」

「それ・・何度かシンにも言われたけど、自分では分からねえんだ・・」

「そうか、でもお前は第14班の一番後加入のメンバーであっても、同格以上のものを持っている。出て来い、もっと前面にな・・」

「え・・ああ」


 ケンとリンが互いに顔を見合わせた。今でもショウは、十分色んな才能を発揮しているのだが・・と言うような顔でもあった。だが、この言葉は後になって分かって来る事になる。確かにショウは、几帳面で、プログラムも作れ、分析力にも長けている人物だけでは無かった。ただ、それはシンの第14班全員に言える話なのだ。

 そのダンだが、シン達が探索したのは、短時間になってしまうが、そう変わり映えのしない結果を持って、そうこの空間に草食恐竜の存在以外の特殊性はあっても、他には殆んど目新しいものは無さそうに思えた。草食恐竜が存在する事自体が、驚愕的なものだが、彼らは敵意を全く感じないこの存在に既に緊張が薄れていたし、大胆にもリンは、その草食恐竜にタッチをしたのだ。とんでも無い事を平然とする感性の持ち主リンは、この2匹の犬達にも同じ感覚がある事を知っていた。犬達は一瞥しただけで、全く草食恐竜には興味を示さなかったのだ。そしてあっと言う間にこの空間を走り回って、ほぼ全体を把握したようだ。特に犬達にも変化は無かった。

 そして、ダンの穴を覗き込む。


「ワン!」


 いきなり『銀』が吠えた。


「わお!え!『銀』?お前なんでここへ・・」


 ダンが驚くと、尾をびゅんびゅんと振って、『伴』も穴を覗き込む。


「『伴』もかよ・・犬を呼んだな?おい!シン、準備はもう整ったのか?」


 ダンは、この空間での一端休憩にその理由がある事を悟っていたようだ。笑いながら、ダンに、


「はは・・ああ、もうお前は知らないだろうが、小型MSI飛機30機以上が、この空間及び、全ての通信路に向かって偵察飛行を行っている。お前は感づいていたようだが、そんなでかい穴を掘って何をやっているんだ?」

「ふ・・この空間には何か優しさを感じるんだよな。まあ、見てくれよ、俺の掘った穴底を」


 ダンが穴から出て来ると、そこは真っ白な底面が見えるのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ