第6章 思わぬ事態
「ああ・・でも、俺達野外メンバー・・特に第14班って言うのは特異体質だからな、特にランはその耐性が最も強い者なんだ。知っていた?」
「知るもんかよ・・後出し情報ばっかりでさあ、とってつけたみたいだろ?そんな事を今更のように言うなよ」
ケンが顔を顰めると、ダンが、
「はは・・でも、万が一って事があるだろ?地球上では知られていない菌やウイルスが無数にある。でもな、ケン、ここが日本とM国秘密同盟の基地だった事を思い出せ。なら、そんな対策はやっている筈。だからもしもの事があるから、その念入り検査を今やっている最中だし、ランが隔離と言ってはおかしいが、別機に乗っているだろ?」
「そこまで・・考えていたんだな」
ケンが嘆息した。リンが、
「まあ、それでも安心しろ・・簡易検査的なものは、ケンシンさんが用意してくれているから、俺達がここに今居る訳だ。俺もある程度しか聞いては居ないが、光子の中には紫外線効果もあって、ある程度の雑菌は殺すんだよな?シン」
「はは・・説明もしていなかったが、俺もそう言う細かい情報をいちいち言わないものの、確かに野外には紫外線が降り注ぐ。その紫外線には殺菌効果もあるし、光子の波長の中に紫外線に近いものもあると聞いている。だからこそ、ウイルスも除去出来るんだろうし、電磁パルスとはまた違う効果なんだけど、勿論その為に開発された訳じゃない。つまり、おまけにあったようなものさ、それほど殺菌力は高くは無いんだろうなと思っていた」
「かといえ・・地上の菌類は全て絶滅したよな、そして、地下通信路を俺達が探索する際にも殆どそんな事は気にもしちゃいなかったと思うが・・」
ここはランが反論すると、
「つまり、それだけ安全性が担保されていたんじゃ無いのかな、それこそが和良光ケーブルなんだと思えば?」
「あ・・そうか。そう言う事なんだ。だからこそ、念には念を入れるって事かあ」
「分かれば、そう慌ててキョウに送る必要もない。また恐竜は危なっかしくて大蛇のようにはいかないしな。こんなのは勿論パッケージも出来ないし、日本になんて送れないよ、でも、超音波で何とかなったので、そこは良しとしとかなきゃ。ここは君子危うきに近寄らずだ。でも、俺達は近寄っているんだけどな、ははは」
シンの笑いが何故か安心感を与えた。




