第5章 とうとう彼らは
ダンが、
「ラン・・驚く事を時々お前はやらかすよな、ショウ・・お前もだ。この俺の眼をかいくぐって・・よくぞ、そんなプログラムを?」
「ダン、黙っていた訳じゃないさ。有線LANなら、断線すりゃ、そこから先の光は消える。でも、これが電気コードのようなものだったら、断線した段階で全てが消えるが、無線LANは、切れた先からもまた繋がる。振動で光子に変異する仕組みだだからな。でもさ、それを人為的に行おうにも、このM国のMAPが相当の精度を持っていなきゃ出来ない訳だ。まあ、その辺にしといて、ケンシン部長にはアドバイスも貰っていたからどうにか出来た訳だ。俺達だけが開発した訳じゃねえよ、チームワークさ」
「野郎・・ここでチームワークだって言いやがる。はは・・でも、良くやったよ、これで真っ暗闇の中で動けるとすれば、また考えるよ、大蛇以外はな・・」
シンが笑う。だが、大蛇は動ける・・と言うのは、その脅威が去っていない事を意味する。ランがもう一言加えた。
「あ・・おれ達がやれたのは、この先だけの話だからな。それに振動を止めたら、全部が消える。それは今まで通りさ」
「ああ・・分かった」
ここで、翌朝到着すると言うケンシン部長の贈り物なる物の到着を、ゆっくり休んで待とうと言う事になった。
そして、荷物が到着した。やはり同型の地下通信路用MSI機であった。
「早ええな」
「まあ、人間が乗っていないからな、その辺はスピードも出せるさ。皆、良く眠れたか?」
「ああ・・ばっちりだ。何の異常も無かったようだしな、遮蔽板は機能したし、電源OFFも効いたんだろうな」
「この先は真っ暗と言うのが不気味ではあるけどな。でも、何とか凌げた。でも、厳重に梱包されているようだなあ・・かなり大きそうだし」
「シン、機外に出ても大丈夫だよな?」
「ああ・・大丈夫だ、皆で出よう・・あ、ランだけ用心の為、機内に残っていてくれ。お前の判断で、もし何かあれば防衛手段を駆使しても構わない」
「おい・・」
ダンが顔を曇らせたが、
「ダン・・俺達には常に危険が伴っている。それは忘れるな」
「分かった・・じゃあ、ラン、お前に任せよう」
もうその間に、リンとケンは到着機の所に。シン達の話なんぞ聞いてなかったようだ。




