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シンカラス  作者: 白木克之
104/1722

基地

「あ!それなら、そんな生体武器の存在はエライ首班、シリマツ官吏がとっくに知っていた事になるじゃないですか」


 カイが血相を変えて突っ込んだ。この男は頭の回転が早いな・・シンは思った。


「申し訳ない。その為、我ら二人が行動していたと言う話をした。個人行動を咎めた理由も分かって欲しくてね・・」

「あ・・はい」


 簡単に切り返されてしまった。話術では絶対にこのシリマツには敵うまい。


「さて・・勿論君達を危険に晒す訳には行かない。除菌も行い、衣装の事もそうだが、これは作業服では無く、除菌服である。皮膚からの感染を防ぐ目的だった。こんな説明を何故今になってするのか・・それこそ、順番と言うものがあるのだよ。除菌と言う言葉を先に出せば、やはり諸君は、以前の体験によって、命辛々の危険な眼に遭われた方々ばかりだ。その諸君にチームを編成するのにあたり、命が大事、無駄にしてはいけないとくどい程言って参った。その我々の言葉と矛盾するような行動であってはならない。そこで、体に付着している菌類は無いか、ウイルスは無いか、分析・調査をして来た。今サテン君が言ったね、このドームの立地がそう言う場所なんだと。もう少し付け加えさせて頂きたい。通路も監視塔も大理石及び、除菌のされた密閉空間だ。又、ドームが100年間も守り得たのも、ドーム内は無菌室のようなものだ。その為に皆様の接触を遮断し、個々の集団による空間を設けて来た。これは、管理・監視する為が主目的ではない。諸君の体調や、病気等を常に管理出来るシステムだと言う事をご理解して欲しい。そして部署から出る時も、長い通路を通る。全て除菌が目的のダッシュボード等が設置してある。これだけドーム内とは勿論様々な会社と称した、部門がある。学校も医療施設もある。この中でいかに生活出来るか、又外の脅威から逃れられるかを緻密な計算の中で作られているのだよ」


 そうだったのかと、新たな情報が彼らの耳に入った。そんな構造上どうであるとか、外部からどう守護するためだとかは、生まれて育って来た現在においても教えて貰った事も無かった。生活する上で、人々が不安に思い、中で平穏に暮らす為には学ばなくても良い情報だったのかも知れない。その為、目的は一生懸命勉強し、自分の適性を知る事にあったと言える。犯罪等が起きる環境では無かったからだ。

 シリマツは続ける。


「そこで、皆様も今調査中のように、病原菌も検出されず、この大地が例えば、ウイルス兵器と言う事だって考えられる訳だ。そう言う危惧をまず調査する。又、諸君から他の人々に感染する事の無いように、検査もされて居たのだ」


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