第5章 とうとう彼らは
「ちょっと・・待った。恐竜は出て来るわ、大蛇が出て来るわ・・何だか分からない状態の中で、確かに時計の4時を指す方向に向かって進んで来た。つまり、どの方角に進んでも、俺達が居た空間からは放射状に離れる訳だ」
「そりゃ・・そうなるわな、うん」
そんな当たり前の事を聞き流す彼らだったが、
「ショウ、で?そこに何があると言うのか、もう少し詳しく言って見ろ」
ダンが再度促した。
「え・・ああ、だからぐるぐると」
「ぐるぐると?放射線状に広がる通信路がぐるぐるとつまり円周上に12本のうずまきになっているんじゃ無いのかよ、それは」
「あ!」
彼らはそこで何かに気づいた。つまりあの空間から、通信路は平行道では無く、緩やかな登坂で徐々に地表近くへ向かっていたのである。
「今地下深度は推定どの位だ?」
「正確なメーターは備わっていないが、確か、地下通信路は3キロが最深部で、日本からだと緩やかな下降線を描き、樺太あたりからその最下降点で、ずっと続きM国入り口までほぼ平行になっていた」
「だな?それはMAPにインプットされていた筈だ。カンジの計測は、ある程度その作成に関して正確さを示していた」
ダンが言うとシンは、
「それはあくまである程度であって、爆薬の衝撃波で探るあいつ独自の方法だ。確かにそれを基にショウがMAPを作成したんだ」
「うん・・それは全員も知っているし、納得しているが、ここは何重にも重なるつまり12層の螺旋状の通信路と考えるがどうだ。あくまでコアと言うか12通信路に枝分かれするターミナル的な空間が俺達が到達した場所だが、その12の入り口がそうだとしたら?」
「成程・・言っている事は何となく理解した。つまり、それなら到達している地点は、一か所にぐるぐる回っている感じになるわな。でも・・待てよ。それでも螺旋状に広がると言う想定なら、どんなに隣接していても、円周上にそれぞれの通信路は離れて行くだろう?距離も・・」
言いかけたシンだったが、




