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シンカラス  作者: 白木克之
102/1722

基地

「話はここまでだ。で、監視塔だが、これからは、第4塔を柱として周囲のサンプル調査はほぼ終了とする。よって、今までの生物班、化学班・分析班には第4塔を中心に、12時間シフトにし、それぞれ3人が担当になるので、ずっと楽になるだろう、それは彼らも我々もだ。そこで、私とシリマツ君も2人の交代では今までと変わらないので、新たに私達2人に加えてマコト副長、シン君の4人で、3日に1日休日と言う事で交代をお願いしたい」


 え・・とシンは思った。意外な展開であった。それでは、今山井と行って来ている秘密裏の行動は出来なくなるからだ。ましてマコト副長は、生真面目・律義で融通が効かない部分がある。シンが少しでもおかしな行動をとれば、彼の事だ。すぐ疑問を呈するだろう。だが・・よくよく聞くと、マコト副長とシンが同じ日だが、12時間交代になるシフトだとすれば、2人が同時に勤務する事は無さそうだった。そして、そのシフト表が配られた。山井とシンが重なるのは、2週間に一度であった。かなり重要な位置にいるらしい山井は、結構シフトの中に入っている。ただし、彼と数人はやはり変則のようで、8時間シフトであった。


「そこで、今までの調査でまず分かった事と、上の組織と新たな資料の提示をここで行う。シリマツ君、どうぞ」


 小出しの情報開示だが、それは実動に関する中で、重要な部分だ。そして、彼らにも一度に入った情報はなかなか飲み込めないが、こうして行動する中で、情報として伝わる部分には良く理解が深まる。何も、今は秘匿して組織が混乱する事も無い情報のようだ。


「それでは・・ここまで君達も通路構築、8か所の管理塔建設、周囲の調査とやって来た。それにより、まずはこのドーム外で最も警戒し、憂慮すべき生体武器オオコウモリの他は、5キロ圏内中に最初これも予想された、T国のカラスや、新たにこれも本当に後出しの情報になるが、K国の鳩、R国のカモ、V国の燕などは確認されていない」


 へえ・・そんな生体武器がやはり居たんだ・・メンバー達は言った。しかし、シンはその情報を知っていた。自分の前に居た部署で、何重にもロックされた秘匿情報フォルダに入っていたからだ。それは、シンがやはり特殊なスキルをまだ隠している?と思いがちだが、そのフォルダのキーを渡されていたのである。それはこれから後に明らかになる、シンを実際に動かしているドーム内の特命部署によってだ。そう・・明らかになったのは、シン・山井とそのメンバーだと言う事だ。やっと彼が別格の身体能力を持ち、何かの使命で動きだしているらしいと言うことだけは、はっきりしたのだ。


「つまり、それだけ日本の改良・開発したオオコウモリ生体武器の攻撃力と防御力の高さが証明していると言っても過言では無いだろう」


 その理由は?と誰もが思った。しかし、それも明瞭にシリマツは披露した。


「最初に言ったように、オオコウモリの超音波伝達としての、ネットワークが非常に堅牢だからでしょう。加えて非常に高い知能がある。この中でカラスが一番その生体武器に近いのだが、カラスは今の所生体武器としては飛来していない。何故なら飛翔時間の事もあるだろうが、これらを排除出来る何かが存在するものと思われる。それを今調査していると言う事だ。諸君には開示していなかったが、エライ班長とこのシリマツがその任を受けていた。なので、諸君とは別に野外行動をしていた。だが、それも非公開でやっていれば、やはり諸君には不信感も起きるだろう。ですので、この場で発表したのだ」


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