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シンカラス  作者: 白木克之
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第5章 とうとう彼らは

「いや、その通りなんだよ。幾らプロセスが重要だと言っても、誰もが結果を評価する。それは何時の時代にも変わらない。ただしな、ラン。お前のPC内でのシミュレーションが完璧であっても、それがお前の思うようなプロセスになったか?」

「ならなかったな・・それは、俺にも分かっている」

「俺達はロボットじゃねえし、不老不死・不死身の体じゃない。自ずと体力にも運動能力にも、また思考力にも限界はある。お前・・ちょっと月に行った位で、何でも懐古調のような前時代のロボットを駆使出来たらなあ・・なんて発想があるから、そんな言葉を発しているんじゃねえのか?」

「う・・それは」


 ランが口ごもった。ダンが、


「そら見ろ、お前の考える事なんて俺達にはすぐ分かっちまう。ラン、確かにそう言うロボットを駆使し、人間の限界を超えた活動をそれらにやらせれば、出来なかった事も可能になるのかも知れない。だが、何度も話して来たここまでの事を思い出せよ。俺達は、その文明の機器に潰されちまったんだ。又、そう言う時代を一端破壊しようとした和良司令官の所までお前は一気に走っちまうのか?お前の考え方は、極論すればそう言う方向性なんだよ、ショウ・・お前もランのタイプだよな、お前はどう思う?」


 ダンが聞くと、ショウは、


「俺は・・機械的にどうこうする考えはない。確かにあったら便利だろうなとそれは思うさ、だってこのMSI飛機が開発されて、恩恵に預かっている俺達って何なの?それに今防護されて、ここを進んでいるじゃないか。つまり、それを否定していては俺達の明日も無いだろうが?」

「ううむ・・それにはお前の言う事に否定出来るものは無いわな」


 ダンが唸ると、リンが、


「使えるものは使ったら良いんだよ。俺達は脆弱な人間だもん、あんな大蛇に生身の体で幾ら体幹を鍛えようが勝てる訳もねえ、『戒』や犬達にだって、俺達が素手で適う相手じゃねえし、実際助けて貰っているじゃん。仲間がこうしているから色んな知恵を出し合ってやっていけるんだ。それが人間だろ?俺達は一人では何も出来やしない。つまり、そう言う事だよ、ランが言うのを否定する事なんざ、何もねえ。だが、それを絶対視はしてはいない、だろ?ラン」

「ああ・・それは勿論だ」

「シン、ダン・・お前達がツートップだから、色んな責任感もあるだろうし、こうあるべきだの指標を示すのは当然。だから、やれる事は任せろよといつも言っている。俺達に出来る事は何だ?色んな知恵を出して行く事じゃねえか、俺は月からA国の科学技術を持ち帰る案には賛成さ」


 リンが言うと、それにはシンも頷くしかなかった。ケンも、

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