第5章 とうとう彼らは
シン達は進んで行く。それが運命の岐路になろうとは誰が思うだろうか。行く手にまず見えたのが、壁に張り付いた。無数の虫だった。
ざざざざ・・・虫たちが壁が押して来る様子に進行方向に逃げて行く。
「何だ・・あの虫は・・」
シン達はMSI飛機を停止させた。未開のM国通信路で大蛇以外に発見した生命体である。彼らも驚いたが、虫達もまさしく驚いたであろう。
「調べているが、画像認識ではHITしない。もう少し調べて見る」
「俺も結構虫には詳しいんだがな、知らない虫だし、結構でかいぞ・・これは」
ダンも加わった。ランもショウと一緒に検索をしている様子。
「まあ、でも、虫が居たからと言って引き返せねえよ、進もう、ゆっくりだけどさ」
「相当数が多かったぞ、大きさも確かに10センチ程あるし、足が何本だった?」
「8本に見えたが・・」
「いや、6本だったように思えるがな」
「結構動きが早いんで、画像は・・ひい、ふう、みい・・これって、6本+手か?2本あるようだが」
「どれが手か足か分からないが、8本胴体から生えているのは確かだな?」
「ああ・・」
リンとケンが頷いた。
「この地下通信路って、俺達が光子に刺激を与えた事で今明るいんだよな?こいつらって、生まれて初めて光を浴びている訳だ。大蛇もそうだったと思うけどさ」
「うーーん・・それはどうかな?例えば、深海生物の中には自分で発光をする個体も居る。その光と言うのが皆無の真空世界だったとは言えないのでは?」
「成程・・確かに眼はあって、退化しているようには見えないな」
ランが、そのやりとりを受けて画像を拡大すると、そう言った。




