第2章〜幼馴染の二人〜
投稿、不定期でごめんなさい。
今回は、「友達〜親友であるということ〜」に似た内容が入っています。学校名も出てきます。また、設定を書くときに纏めますね。
誤字・脱字があった場合、指摘していただけると助かります。
「そう言えば、ジュリーネルティア様が正式な跡取りに決定されたと言うお話を伺ったのですが…。」
「そうなのですか?ところで、シャンティラー様はどこでそのようなお話を伺ったのですか?」
私としては、それが一番の疑問です。
「えっとですね…お母様が、ファンティーヌ様とジュリーネルティア様の会話を耳にした、と…」
少しばかり逡巡した後、こっそりと教えてくださいました。
「(なぜ、シャンティラー様のお母様がそのようなことを知っているのでしょう…。あ…なるほどですわ。シャンティラー様のお母様は、帝王の住まう館にて働いているのでしたね…。)」
私は一人で考え事をしていました。そう、なぜ、シャンティラー様のお母様がそのようなお話を聞いていたかについてです。ですが…
「ミュートミリア様。考え事が…」
シャンティラー様が、そっと声を掛けてきました。
「…はっ。な、何でしょうか。シャンティラー様。」
私は思わず、淑女らしからぬ声がこぼしてしまいました。
「考え事が声に出ていましたわよ。」
そのような指摘をいただき、頰に熱が集まるのが分かりました。…恥ずかしいです…。
「そ、そうだったのですか…?は、恥ずかしいです…。」
私は、そっと瞼を伏せました。本当は俯きたいのですが、淑女として最もいけない事である、と幼い頃から懇々と教え込まれているため、出来るはずがありません。
「いえ…大丈夫ですわよ、ミュートミリア様。幼い頃からの癖なのだろうと察せますから。」
私は目を瞠りました。…恐らく、私がもし貴族であったならば、この瞳の動きにさえ注釈が入ったことでしょう。ですが、私は平民です。
「お、幼い頃から…ですか?」
シャンティラー様は不思議そうに瞬きをし、柔らかな微笑みを浮かべました。
「えぇ。幼い頃から、考え事をしている最中にブツブツと呟いていましたわよ。…懐かしいですわね。」
…昔を懐かしむように遠くを眺めている事から考えると、相当昔からのようですわね…試しに聞いてみましょう。
「シャンティラー様…その、私はいつから、その様な事をしていたのでしょうか…?」
恐る恐る伺うと、シャンティラー様は少し考え込んだ後、この様に言いました。
「そうですわね…ティンディーヌ帝国立フランチェル学院の初等部一年生の頃には、既にしていたかと…私たちが出会ったのもその時だった筈ですし…。」
私は、みるみるうちに真っ青になりました。先ほどまで、羞恥心のせいで真っ赤に染まっていたはずの頰が青くなっていくのが自分でも分かりますもの…。…そんなに昔からだったなんて…。
私は軽く絶望しました。…初等部一年生と言ったら、5歳の頃ではありませんか…。その時既に、この様な事をしていただなんて…。
…出来る事ならば、知らずにいたかったですわ…。
あまり言うことはありませんが…。
こんな作品でよければ、これからもどうぞ宜しくお願い致します。