第1章〜国の事〜
500字しか行きませんでした…時間があるときに追記します。
…あの女性たち…平民でしたわよね。ですが、流石は我が国の方々ですわ。貴族と並んでいても遜色ないほどの礼儀作法を身につけていますわね。
「ティンディーヌ帝国は平和ですわね。」
ふと、そんな感想がこぼれました。なぜなら我が国は、領土は広大であるにもかかわらず、反乱など一切ないのです。隅々まで帝王の目が行き届き、また、その名声が広まっているのもあると思いますわ。
「流石はファンティーヌ様ですわね。」
わたしは感嘆してしまいます。本当に、流石はファンティーヌ様ですわ。そのように素晴らしい方の後継など、私には荷が重いですわね…。
実は、先ほどの女性たちに告げたように、私の元へ、次期帝王にならないかというお伺いが来ています。このお伺いは、その代で一番優秀な成績を収めている方の元へと送られるものですわ。その方が平民であるか貴族であるかなんて関係なく…。
「ジュリーネルティア。」
「ファンティーヌ様…。」
私は久し振りに、ファンティーヌ様にお会いいたしました。…次代帝王になるという、決意とともに。
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私は、ファンティーヌ様について歩いています。
「今日、何故あの書状を出したかは分かっているのでしょう?ジュリーネルティア。」
ファンティーヌ様が、私にそう問いかけてくださいました。緊張しているのを見抜かれてしまったのでしょうか?
「ええ。次期帝王を決めるためには、未成年の中から一番優秀な者を選定し、選ばなければならないから…ですわよね。」
私の答えに耳を傾けてくださっていたファンティーヌ様は、軽く頷きました。
「ええ。そうですわよ。そして貴女が、国1番の才女だからですわ。」
「国一番の才女…ですか?」
私の疑問に、ファンティーヌ様は丁寧に答えてくださいます。
「ええ。そうですわよ。噂くらいは聞いたことがあるのではなくて?」
噂…?聞いた覚えがありませんわね…。
「いいえ…。聞いたことありませんわ。」
わたしは、きっぱりとそう告げました。
すると、ファンティーヌ様は溜息をつかれました。
「帝国民の声に耳を傾けるのは、帝王として当たり前のことですわ。これからは、例え噂であっても耳を傾けるようにしなさい。」
私は、はっと目を瞠りました。…帝国民の声に耳を傾ける…それが出来なければならないのですね…。
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パタン…。微かな音を立てて、自室のドアが閉まりました。
「…次期帝王…。」
思わず唇を噛み締めます。責任の重さ。必要とされる優秀さ。それを、正式にお披露目する三年後までに身に付けなければなりません。
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