プロローグ
魔物
そういわれる異形の生物たちの唯一の対抗兵器である異能者。能力素と呼ばれる物質を体内で生成できる異能者たちは、非異能者達とは、段違いな身体能力、一人一つずつの特者な能力、彼等にしか操ることのできない特殊な武器等々を使い、日々、魔物から、世界を、人類を、守っていた。
異能者たちは、基本的に、国軍、警察、魔物討伐斡旋会社、犯罪組織などに帰属し、それぞれのやり方で、人類を守っていた。
世界能力者協会(通称 WSN)と呼ばれる、世界で最も大きい魔物討伐斡旋会社に、とあるパーティーがあった。
「七色の虹」
幼い少年少女たちで構成されたこのパーティー。よくあるパーティーだが、討伐する魔物たちの質が違った。
討伐依頼を受ける魔物は、すべて脅威度C以上。
入る迷宮は、すべて危険度C以上。
普通、こんなことやっていたら潰れる。運で、何回か抜けれたとしても、すぐ潰れる。
しかし、彼等は全ての依頼を達成し、Sランクパーティーにまで上り詰めた。
周囲は、嫉妬して彼等に勝負を挑むが、ことごとくはねのけられた。いつしか、七色の虹のメンバーはこう呼ばれるようになった。
化け物ぞろいの異常者パーティー。
赤の「赤の炎姫」
彼女は、すべてのものを焼き尽くし、豊かな森を焦土化させる。
橙の「橙の拳子」
彼の掌打を受けると地面に1メートルは沈む。
黄の「黄の雷神」
彼の雷撃は、最早災害といっても差し支えない。
緑の「緑の治療者」
彼には向かうと、体が爆発する。
水の「水の人魚」
彼女と水辺で戦うと、死体は決して残らない。
青の「青の最強」
この幼女は、ただの化け物。七色の虹の中でも頭一つとびぬけた化け物。
紫の「紫の従魔師」
彼女は常に、魔物を侍らせている。
化け物ぞろいと言われるに相応しい力と、異常者と呼ばれるにふさわしい行動をとってきた七色の虹。
そんな彼らが、何故か急に突然休養という名目で、活動を休止した。