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結局俺は不信のまんま  作者: ◾️
番外編 フェスティバルの幕間で
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番外編 コーラを求めて三千里

「はぁ……」


「ため息すると幸せが逃げますよ?」


「逃げる幸せなら誰かにくれてやるよ」


「フフフ、大胆ですね、ラー君は」



今、俺とヘリスは二人で王都散策をしている。理由は何個かあるが最大の理由は、コーラを探しに来たって事だ。

その訳はかくかくしかじかってわけで、俺はコーラを探して三千里の旅に、ヘリスの同行のもと捜索していた。


そんな素晴らしい旅の途中でため息を吐いた理由は、人が多いからだ。今の王都は某日本最大の遊園地並みに人が溢れかえっていた。

小さい子からお年寄りまで様々な人がごった返し。

自称人間恐怖症の俺からしたら地獄にも等しい場所だ。帰りたいと言う願望が俺のコーラを求める心を侵食していく。



「お、俺は異世界物語で初の、コーラを飲む主人公になるんだ………!こんな、こんな序盤で挫けるわけには!」


「さっきからどうしたの、ラー君?発作?」


「発作なんか起きるか!!」


「なら、病気の再発?」


「なんで俺を苦しめたがる?!」



ヘリスさんは、結構俺を苦しめたいそうです。ホント、勘弁して下さい。俺のライフはゼロよ!


勝手に苦しむ俺にそっぽ向き、ヘリスはキョロキョロと辺りを見回した。この辺りは人が急に少なくなり、場所が悪ければ貧民街になっていただろう。そのぐらい薄暗く人がいないのだ。



「それで、ラー君。その『こーら』?はどこのお店で売ってるの?」


「確か、この辺のお店のどっかだったと思う。あー、けど確か名前が『コール』だったと思う」



そう、異世界に来て初めの問題(初めじゃないけど)言葉が少し変わっている、と言う問題がここに来てやって来た。

普通なら「え?何それ?」的な雰囲気で召喚してくれた美少女と微笑ましい会話をするのが普通なのだが…………。

お察しの通り、俺の知り合いにはそこまで親身に優しく教えてくれる美少女がいません!!

どっちかと言うと「え?嘘?そんな事も知らずによく生きてこれたね」的な言葉が帰って来ます。うぅ……



「こーる、こーる………。あ!これじゃない?」



彼女はコールと書かれた看板を指差しながらそう言った。その看板を置いてあるお店は、この辺りでは結構大きめのようだった。

大きな看板に『コール始めました!』と書いてある。

冷やし中華の間違いじゃね?



「ね、ねぇラー君。ここ、本当に大丈夫なの?」


「い、いや……俺に言われましても」



結構大きめのお店、までは良かったのだが見た目が少し酷い。何十年前の木造建築のように木と藁と石でできた造りだ。



「だ、大丈夫なのか?色んな意味で」


「ラー君、あなたが聞いたんでしょ?」


「そ、そうなんですけど…。こんな酷いとは思ってませんでした」


「まぁ、入ってみればわかるでしょ!」



ヘリスは俺の手を取り店の中へ連れて行った。店の中は表と打って変わって豪華な飾りに豪華な机やテーブル。店の中だけは高級ホテルのようだった。



「なっ、なんで中だけこんな豪華なんだよ!?」


「やっぱり見た目より中の方が大切よね」



あぁ、やっぱり見た目だけで判断はいけないよな。ホントすみません。



「いらっしゃーい!なんにする?コール?それともサイダー?」


「コールで!………えっ、ちょっと待って、サイダーもあるの!?」


「そら〜、コーラだけじゃ儲けんしな」


「ってか、あんたもコーラって言ってんじゃん」


「みなさん呼びやすいようにコール言うてはりますが、ホントの名前はコーラ。お客さんわかってはんな〜」



ふーん、コーラって慣れないんだ。だけど、サイダーはOK?違いがよくわからない。



「ふーん…………………ちょっと待てーーー!!!」


「どないしはったん、お客さん?」


「お前のその喋り方、それとコーラを知ってる理由!!その辺、どう言うことや!」


「?俺の喋り方?あぁ、この喋り方は俺が小さい時の師匠の喋り方。ほんで、そん時にコーラの作り方も教えてもらったんや」


「って事は……転生者の可能性か。ねぇ、確認だけど今って番外編だよね?こんな所で変な伏線ポイの入れてていいの!?」


「どうしたの、ラー君?」


「い、いや………なんでもないです」



ねぇ、ホントに大丈夫なの?

これ番外編だよね??いいの?

俺知らないよ?



「それで、お客さん。どないしますん?コーラ?サイダーどっちにします?」


「あ、コーラで」


「なら、私はサイダーで」



俺とヘリスはそれぞれ頼む。店長がカウンターの奥の扉を開けると一気に冷気が溢れ出てくる。この蒸し暑い夏場に至福の瞬間がもうすぐで手に入る。

店長が奥から出てきカウンターにコップを二つ置く。そして、炭酸が立ち上る黒色の液体が入った瓶と無色透明で泡が上がっている飲み物が置かれる。



「うひょー!スゲー!コーラだ!!」


「スゴーイ、お酒みたいに泡が上がってる」


「おあがりよ!」



す、スゲー。

ホンモノだ、マジで炭酸。しかも炭酸強!

完璧じゃねぇか!!



「プハー!ウメェ!マジ異世界最高!!」


「おいしい!こんな味初めて!」


「お粗末さん!おゝきにな」


「おう!な、なぁ。一つ商談があるんだが」


「あ、あぁ。目が怖いぜ、お客さん」



ライは店長の肩に手を置きながら部屋の奥へ連れて行った。ヘリスは未だにチビチビとサイダーを飲んでいる。


ーー三十分後。



「つーわけで、宜しくな!」


「はぁ……。お客さん、交渉が美味すぎやわ。敵わんな」


「まぁな、これでもヤクザの頭やってたからその辺は一応弁えてるんだよ」



こんな若造でも力と頭があればここまでのし上がれるってわけだ。確か、近畿地区の一番だったかな。



「んじゃ、俺らは行くわ〜。また来るから宜しくな!」


「ありがとうございました!」


「おう!また来いよ!」



それだけ言って俺とヘリスは店から出た。

コソッと一本コーラを買ってカバンの中にしまっておいた。




ーーこの時のライとヘリスは思ってもいなかった。あんな事態になるとは


はい!どうも!■です!


題名……気づいてませんよね?( ̄▽ ̄;)

ま、まぁ気を取り直して。


いや〜、まさかライに作中で突っ込まれてしまうとは。別に伏線ではないですよ、別の機会でしっかりお話するので。

いつになるかはわかりませんが(笑)


それは置いといて、明日から第四章開幕です!!

僕自身も書きたくてうずうずしてました。

あ、引かないでくださいね。

待って!お願い!ウインド閉じないで!


そ、そんなわけで楽しんでくれる話を書いて行くのでお楽しみに!!


では!また、明日!あ、時間はいつも通りです!





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