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結局俺は不信のまんま  作者: ◾️
第三章 過激なフェスティバル
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第二十話 神を信じるか?

「…………し、神帝……!?」


「そう!僕は現神帝、カロ。君があのオオガミ ライ君だよね?」



自称神帝の白髪の少女ーーカロは、とても楽しそうな顔をしながらライに話しかけた。



「あ、あぁ。それは俺だ……」


「そう。なら、君があの有名な改変者だね……」



カロはそう言いながらライの周りを回りながら頭からつま先まで見る。そして、彼女は少し苛立った顔でこう言った。



「うーん。見物客が多いなぁ、悪いけど帰ってもらっていいかな?」


「誰なんだお前!!いきなり現れたかと思ったら敵殺して!」


「チッ、うるさいな。僕は帰れって言ったんだけど?」



突っかかって来たウルスに、少女はかなり機嫌を悪くした。次の瞬間、彼女の姿は消えた。ライは今の遣り取りを間近で聞いて、彼女の表情を見て察する。



「危ねぇ!!逃げ………!!」



俺の警告が彼の耳に届く前に、彼は西の門まで吹き飛ばされた。ウルスが戻って来る様子はない。死んではいないだろうが、一瞬のうちに貴族騎士が気絶させられたのだ。



「「て、テメェ!」」



今の行為に激怒したオーロンとシリウスが抜刀し少女に襲いかかる。少女の顔は呆れも怒りも通り越して笑っていた。それも童女のようにケラケラと。



「「やめろ!!!」」



今度は俺だけでなく駆けつけたイワンも叫ぶ。が、今度も結果は同じ……いや、酷くなった。少女はオーロン、シリウスは元より他の騎士まで手を出し始めた。


俺はすぐ左にいたミールを守ろうとレーザー魔法で盾を作ろうとしたが、急に脳でストップの命令が出た。


少女はオーロンの左手を折り地面に埋める。次にシリウスを手刀で腹を一刺しし東の門の方へ吹き飛ばす。ついでのように、側にいたエルも両脚を折られ投げ飛ばされた。

トリスとヘクールには溝内へ一発ずつ入れ蹴り飛ばし、最後に残ったミールは俺のすぐ側で腹を蹴られ目に見えない速さで飛ばされた。



「ふぅ…これで静かになったね。さて、聖神か。君に手を出すと人帝と戦争になるからやめとくよ。僕もそこまで血に飢えてないしー」


「なら、友の仇とらせてもらいます!」


「やめろ、イワン!………こいつの相手は俺だ。頼むからお前はみんなを連れてアレスのおっさんの所に戻ってくれ」



今にも駆け出しそうなイワンを手で制し止める。このまま行くとイワンは確実に死ぬ。その未来だけは防がなければならない。もしもの時の為に。



「わかった。死ぬなよ、ライ」


「わーってる」



イワンは俺にそれだけ言い残して各方向に吹き飛ばされた仲間を救助しに行った。


ーー場に残されたのは俺とカロ。カロは二人になった瞬間さっきまでの勢いが無くなり一人の少女のようになった。



「で、お前は俺に何のようだ?」


「うーん。なんだろ?君の事が気になったから来た…かな?」


「?それは俺が改変者だからってからか?」


「それもあるけど違うかな。正直に言うよ、僕は君が好きだ。だから、君に会いに来た」


「あ?」



いきなり好きだと言われても訳がわからない。今まで会ったことは無いし、見たこともない。話が全く見えてこない。ここはフレば良いのか?



「簡潔に言うと、僕は君の全てを知っている。君がこの世界でやった事も、君の出生も前の世界での事も。そして、前世の事も」



ーーーこいつは今、なんて言った?



俺の脳内でその言葉が光の速度で跳ね回る。

俺は産まれてこのかた一回も前世の事は話していない。それに異世界で日本の事について話した事もない。なのに、何故こいつは知っている。



「『何故、それを知っている?』でしょ?答えは簡単、僕が神だから」


「ハッ、笑えねぇな。悪いが俺は神を信じない人間なんだ。論理的な説明を要求するよ」


「論理……。人を好きになる事に理由がいるの?」


「悪いが、その手には乗らん。ってか、好きってお前神なんだろ?アレとかコレとかする必要ないじゃん」


「セ○○も子○○も必要だよ?しないと子孫を残せないからね」


「お前……サラッと流したのになんで全部言うんだよ」


「?何か悪かった?」


「悪過ぎだわ!ヒロインになるかもしれない奴が初っぱなから下ネタ全開っておかしいだろ!」


「まぁ、それは後々僕のキュートさで持ち直すよ」


「テメェのキュートさはどうでもいい。俺が聞きたいのはお前がなんで俺の過去を知ってやがる!」



カロは?を頭に乗せ首をかしげる。



「なぜも何も君がとても興味深いから観察しただけだよ?」


「は?観察?コレ、もしかしてテレビの特番か何かか?」


「違うよ、僕は急に現れた君を発見し念のためを思って観察してたんだよ。すると君は僕の予想を上回った。優しさも卑屈さもある性格なのに誰に対しても一歩後ろで対応する。戦闘の方も凄かったね!全身の骨がボロボロの状態なのに覚醒状態の鬼に勝っちゃうんだもん。あれはカッコよかったよ!」


「それはわかった。だが、なんで過去を知ってる?あれは一回も誰かに話した覚えはねぇぞ」



異世界での生活が全部筒抜けだった理由はわかった。召喚された時点でコイツにはマークを付けられていたらしい。ウザい話だ。



「それは簡単だよ。ライが寝ている間に魔法を使って過去を覗いたんだ♪」


「職権乱用のストーカーだなお前。それで?俺をどうしたい?親の仇で殺すか?」


「君を殺した所で何にもならないよ。ライは〜、僕のお婿さんになってほしいなぁ〜」


「だが断る!!!この俺が好きな事の一つは自分を強者と思っている奴に「NO」と言ってやることだ!!」


決まった。

これさえ決まれば俺は波に乗れる気がするぜ!多分…。


「えぇー、そんな〜僕神だよ?なんでもできるよ?」


「悪いな。俺は神に惚れられようが悪魔に惚れられようがどうでもいいんだよ」


「そんなにあの国の人達が好きなの?」



ヤバい。これフラグだわ。病んで絶対殺しに行くパターンだよコレ!立てるか折るか、全ては次の俺の言動次第だ。



「………嫌い、と言ったらどうする?」


「それは嘘だね。僕知ってるよ?君が彼らを信用してないの。守るのは自分の居場所を作るため、まぁ偽善者を装ってるだけか」


「偽善者ねぇ…。善者になる気なんかさらさらねぇよ!俺はあの時から人を信じるのをやめたんだからな!」


「あ、癇に障ったかな?ごめんね。気にしないでよ、僕が君を支えるから」



ーーー俺のあの時間を偽善者ごときで纏めようだと?ふざけんなよ。



「はぁ…、決めたよ。俺はお前の所には着いて行かねぇ。テメェの企むように物事が全て動くと思うなよ神帝!!」



ーーー俺は抜刀し自分の腹にローボを突き刺した。


刀身は体を貫通し背中から出る。血や内臓が隙間から顔を出し落ちてくる。一瞬で俺がいた場所は血の海へと変貌していた。



「あ、あ……あぁ」



一杯食わしてやれた。それだけが唯一の救いでライはニヤッと笑いながら倒れた。

ライの意識は帰れるかわからない深い淵へと誘われて行った。



はい!どうも!■です!


久々に帰ってまいりました!ヒロイン等々挨拶?みたいなのは出来たと思うので今度から再開します。


そう言えば知ってました?今回でこの『結局俺は不信のまんま』なんと七十話なんです!わお!(笑)


初めて投稿した時から約三ヶ月。早いもんですね。

みなさん!これからも宜しくお願いします!


それでは、次回はいつも通りです。

では!また明日!!


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