第六話 第四貴族騎士
「うわぁ、非リアどもが湧いてる。まぁ、俺もなんだけど」
何でか知らんが、貴族や騎士などの女性陣は美女、いや美少女が多い。憎ったらしい話だ。
その美少女達が水着姿で悩殺ポーズをとっていて、それをわー、きゃー言いながら眺めている非リア達。
この会場に妻と来ている人は何とも悲しい話だな。横からの冷たい視線がさぞ痛かろう。
「さぁ!次は第四貴族、イリス・トルエノ様御一行だー!!!!!」
イリスは少し恥ずかしそうな振りをしながら見事に男どもを悩殺し、シャロとヘリスは完全に遊んでいる。ラシエルはスク水に悩殺とロリコンキラーを発揮して会場を沸かせる。
「君は毎日彼女達といるから何も思っていないようだが、彼女の見た目を好きなは結構多いみたいだよ」
俺が端っこの方で眺めていたら後ろから声をかけられる。何でこいつは人の後ろに立ちたがるのか。
「俺の背後に立つな!」
後ろに振り返りながら殴る。が、綺麗に受け流されてしまった。
チッ、完璧人間め。
「いきなりどうしたんだい?!何か悪いことでもしたかい?」
「いや、別に。一回やってみたかっただけ。それで?何か言ったか?」
「イリス様達の話だよ。君は意外な事に異性に興味を持たない人なのかい?」
は?待てよ、俺が女の子に興味無いだと?
・・・。
なるほど、お前の策は読めたぞイワン!
「俺は同性愛への勧誘は一切承りませんのでご了承ください。」
「僕は同性愛ではない!断じて違うからな!」
「えー?だってイワン君が女の子と一緒にいる所見た事ないよー?」
「そ、それは…、お前が見た時間帯が悪い!僕だって女の子と一緒にいる時ぐらいある!」
おー、あの聖神様が慌ててやがる。こいつもしかして、幼少期からホモだったのか!?
それだったらいくらか辻褄が合うな。恐ろしい話しだ。
「一応聞くがその女の子ってあの子の事か?」
ステージの上で真っ白な肌をさらけ出している騎士の女の子を指差す。名前は確かミール。第九貴族の騎士だ。喋った事は一度も無いが雰囲気で言うと真面目女子と断言できるだろう。
が、無表情のクセに結構アレである。アレ。
「そ、そんな事ないよ!ほ、他にも…」
「他にも?ふーん。まぁ、いいや。で?そんな馬鹿みたいな事を言うためにここに来たのか?」
そろそろ本題に入らせる。このままイワンをいじるのも悪くはないが正直言ってあまり面白くない。ホモネタは少し飽きて来た。
「あ、違う違う。騎士への召集がかかったから王宮にある大会議室に集合を、と」
「えー。休んじゃダメなの?体調不良、家事都合、これが理由なのでサボります」
「ダメだ。それに、今回の会議は緊急だ」
「ほら見た事か!どうせイベントだろ?何?また傀儡が来たの?」
フラグばかり立てやがって!
俺に自由の時間は来ないのか!
「はいはい。ほら、行くよ」
イワンに襟を掴まれそのまま引きずられて行く。抵抗してももう遅い。この完璧人間には敵わない。
もっと見たかったなぁ…。水着…。
ーー大会議室
「皆集まったようだな。それでは会議を始める!!」
態々団長が司会をやらなくていいんだよ。
わ、笑ってしまうだろ!プププ
「先ず、第四貴族の騎士に着いた者の紹介だ。ライ、前に出ろ!」
ゲ、自己紹介かよ…。しかも、真面目ちゃん達の前で。
「どーも、第四貴族の騎士に着いたオオガミライです。夜露死苦」
「・・・・。ライ!もうちょっとなんかないの?」
隣のイワンが小さい声で喋ってくる。
もうちょっとってなんだよ。騎士の自己紹介って何言えばいいんだよ!
「えー、好きな食べ物はラーメンです。運動は大体何でもできます。一年間よろしくお願いします」
やっちまった…。学校の自己紹介みたいにしてしまった。なんだよ一年間って。
「何を言ってんの!?そんなのじゃなくて、自分の実力を誇示するんだよ!」
「え、あー二ヶ月ほど前に入社して、すぐに亜人戦争で活躍しました。以上です」
ふざけてる訳ではない。コミ症が絶賛発動中なだけである。またやっまてしまった。今度は入社。ダメだこれ。
「あー、彼の力は僕が保証する!君達と引けを取らない強さだ。騎士団にも大いに役にたつだろう!」
おぉ!ナイスフォロー!イワンが言えばいくらか信じるだろ。
「はぁ…、まぁそんな感じだ。お前らも仲良くやってくれ。さて、今回は警護についてだ」
「警護とは?貴族の方々への警護でしょうか?」
一番初めに口を開いたのはミールだ。彼女は凛とした声でアレスに問いを投げかけた。
「いや、それはお前らの自己判断で行ってもらう。俺が今言った警護は国の警護の方だ」
「何か問題でも?例えば傀儡の奴らとか」
次に口を開いたのはシリウスだ。シリウスは俺に軽蔑の目を向け、傀儡の部分を強調してそう言い放った。
完全に今喧嘩売ったなコイツ。乗ってやろうじゃねぇか!!ゴラァ!!
バン!と机を叩いて立ち上がり刀を抜く。
一人は怒気を露わにし。
一人は驚くが冷静に手を剣に掛け。
一人は止めに入ろうと二人の間に割って入ろうとする。
一人は相変わらずの無表情のまま。
一人はやれやれと肩を落としている。
残りは傍観、中立の立場に位置した。
ガキンッッ!と音がなり俺とシリウスの剣は止まった。止めた人物は言うまでもない。
「ライ!シリウス!そこまでだ!剣を引け!」
イワンが俺とシリウスの剣を止め、アレスが一括する。三人とも剣を引きアレスに一礼した。アレスは俺達の行動を見て溜息をして話を戻した。
「話を最後まで聞け!俺が言いたいのは帝が動いたって事だ!」
みかど…帝…?
・・・・・・・。
「ッザッけんなよクソ野郎が!!フラグ回収しちまったー!!!!」
今回も色々ありそうだ。
はい!どうも!■です!
すみません。月曜に投稿するはずが今日になってたので二話投稿です。
明日から毎日投稿が再開されますのでお楽しみください!!!




