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結局俺は不信のまんま  作者: ◾️
番外編 トルエノ家での日常
23/213

番外編 第一回 トルエノ家運動会

「ふむふむ。この世界には暇潰しって言う概念がないみたいだね。」


「なに一人で悟ってるのよ。ほら!早くコッチの洗濯物干し手伝って!」


「えー。洗濯物ほ・・・・はい。喜んでやらせて頂きます。」


「それで良し。」



今日はライがコッチに来て一週間と二、三日経った日で、時間は昼前ごろ。特に用事がなかったのでシャロとヘリスの手伝いをしているのだが…。



「ライ!あんた男でしょ!これぐらいサッサと済ませなさいよ!」


「勝手な男子への偏見の目をやめてもらいたい!なんてモンを持たせるんだよ!軽く50キロはあるぞこれ!」


「仕方ないでしょ、馬は結構食べるんだから。それに二頭もいるしね。」



今、ライには馬の餌やりをしてもらっているのだが、ライは魔法が使えないせいで自力で餌を運んで来なければならない。その為重いとか腰が!とか言って中々進まない。少し目を離すと草の上に寝転んで休憩している。本人はサボる事も仕事の一つとか言って言い逃れしているが、それはしっかりと働いた者が言える台詞だ。



私の洗濯物干しが終わった頃に向こうも終わったらしく、馬とじゃれ合っている。絶対私の洗濯物干しに合わせて仕事したな。



「お、そっちも終わったのかー?」


「ライ。あんたわざと遅くしてたでしょ?」


「えっとイリスさん?何の事だかわかりませんが誤解してるかなーと思いますよ……。はい…。」


「ふぅーん。私の誤解ね。なら、誤解じゃなかったら夕食抜きね?」


「お前は俺のかーちゃんかよ!何だよ夕食抜きって!そうだよ!面倒臭いから時間調節したんだよ!」


「あ、開き直った。」



ライは何もかも吐き出して項垂れる。ご飯だけはとか、他の仕事手伝うからなど救いの手を求めて来る。まぁ、夕食抜きは嘘なんだけどね。



「はいはい、聞こえませーん。次は…あ、もう終わりみたいね。」



三回の窓からシャロが両手で丸を送って来ている。仕事は全て終わったらしい。今日の昼食当番はロイテなので問題はない。



「うーん!今日の仕事は終わりみたいだな。さて、じゃあ昼飯ができるまで『鬼ごっこ』でもするか!イリスは先に庭へ行っといてくれ。シャロ達を呼んで来る。んじゃ!」


「え、は?ちょっと待ちなさいってば!・・・ホントすぐどっか行く…。檻にでも入れてみたいわ。」



ライは走ってシャロ達の元へ消えて行った。私は言われた通り庭の方向へ歩き出す。








「よし!これで全員いるな。さて、今から『鬼ごっこ』をしようと思う。理由は暇だから!他に何か質問は?」


「まずその、『おにごっこ』ってなに?」


「・・・え?知らないの?あの有名な気遣いゲームを?まぁ、一歩間違えれば唯のイジメだけど…。」


「暑く語ってるとこ悪いんだけど、そんな遊び聞いた事もないわよ。」


「ま、まぁルール説明からするぜ。ルールは簡単!『鬼』になった人がそれ以外の人を追いかけて鬼に触られたら鬼を交代。たったこれだけ。」


「ウワーオ!面白そー!早くやろー!」


「まぁ落ち着けってシャロ。ほんで、鬼以外の人の仕事は逃げるだけ。簡単だろ?」


「なるほど、ならその『鬼』は誰がやるのですか?」


「あーそれは一応言い出しっぺの俺がやるよ。俺に触られた人は俺と鬼を交代するってことで。」


「わかったわ。確認だけど魔法はあり?」


「魔法ねー。空を飛ぶ魔法以外ならアリってことで、他に何か質問は?」


「「「・・・・・」」」


「オッケー。じゃあ始めるぜ!10秒待つからその間に逃げてくれ。範囲はこの庭のみだからそこんとこ注意しろよ。」


「了解です。」


「承りましたー!」


「はぁ、早くやるわよ。」


「よし!じゃあ数えるぜ。 ・・10・・9・・8・・7・・・・・」


「2・・1・・0!よし!スタートだ!」



スタートしたのはいいんだが、相手を少し見くびり過ぎてたらしい。こいつら人間か?色んな意味で。木に登ったり、魔法で俺の足を氷漬けにしようとしてきたり、一番怖いのはイリスだな。あいつ雷魔法で剣作ったらしく、俺が少しでも近づけば剣で腕など切り落とす気だ。恐るべし魔法。鬼ごっこをここまで嫌がらせのゲームに変えるとは。



「チッ!お前!俺を殺す気だろ!何だよその剣!」


「なによ。魔法はありなんでしょ?なら、違反はしてないわ。ヤッッ!!」


「ウワッ!あぶねー。さて、どうしよっかな。」


「フフ、他の人を狙えば?私は無理よ?」



伸縮自在の剣なんて聞いたことがない。幾ら何でもチート過ぎだろ魔法!まぁ、俺以外が相手だったらの話だけどな。



「気にすんな。そのまま振っといて構わないぜ?

俺が今からそっちに行ってやるから。」


「へー。来れるものなら来てみなさいよ。」



俺は脱力してダラっとする。そのまま軽く一回ジャンプして、着地と同時に全力ダッシュをかます。さすがのイリスもこれには驚き、反応が一瞬遅れるが何とか立て直す。一瞬あれば次の攻撃を

避けるなんて余裕でしかない。



「よっと!はい!タッチ。次は俺以外の誰かをタッチしてねー」


「ああ!もう!やられた!」



俺は優しく彼女の頭を撫でてあげる。そして、そのまま彼女の横を通り過ぎて向こうまで走る。


この後も激戦?は続き俺は初めの一回を除けば2。イリスは5。シャロは3。ヘリスは4とイリスが最下位で鬼ごっこは終了した。



この後、昼食を食べ終わり今度はでんかくを始めたのだが、俺とシャロ以外が見つからなさ過ぎる。俺は魔力がアホほど出ているらしくすぐに見つかり、シャロは一目散に電柱がわりの木を目掛けて走って見つかってしまっている。残りのヘリスはいつになっても見つからない。ルールはちゃんと説明しているのでどこかのタイミングで出てくるのだろうが、その気配が一向にない。俺とシャロは退屈過ぎて地面に落書きして遊んでいるという始末。ロイテに呼ばれて帰ってしまった説が浮上しているのだが、ないであろう。


そして、俺とシャロの共同作品であるイリスの似顔絵(笑)が完成してしまった。俺とシャロはこれがイリスにバレてしまいゲンコツを仲良く食らう。が、その数秒後に不可思議なことが起きた。俺の影からゆっくりとヘリスが現れたのだ。俺自身はその辺のB級ホラーを見るよりゾッとし、シャロは泡を吹いて気絶している。イリスはもう…何だろう…黒板を爪で削った時のような悲鳴をあげ、そのまま仰向けに倒れた。



「そんな驚かれても困りますよ。あら、起きてるのはライ様だけなのですね。」


「おい…。お前いつから俺の影の中に居たんだよ。」


「えっと、確かライ様が捕まってここで絵を描いている所ぐらいですかね。」


「初めっからじゃん!何なんだよそれ!魔法か?」


「えぇ。私のドラン家に伝わる秘伝魔法、影魔法です。どうでしたか?」


「見たらわかんだろ?腰が抜けたんだよ。他の奴らは気絶してるし、怖過ぎだろ。」


「喜んでもらえて光栄です。」


「誰も喜んでないよ?!」



この後は二人が気絶してしまったので打ち切りとなった。二人が目を覚ますのは明日の昼であり、起きた直後にヘリスに会ったものだからその後も再三気絶していた。




こんな幸せな日々が向こうでも送ることができていたならば、少しは楽しめたのかもしれない。


しかし、それはもしもの話である。時間は戻りはしない。




はい!どうも!■(クロ)です!


如何でしたか?初めて番外編なるものを書いてみましたが楽しめていただけだでしょうか?


次も番外編になるのですが、今度は『詩』になりそうです。お楽しみください。


さて、作者は少し思っていることがあります。

それはと言いますと、評価や、感想をお願いしたいな〜と思っております。

強要はしません、良かったらの範囲でお願いしております。


それでは!番外編で!!




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