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結局俺は不信のまんま  作者: ◾️
第一章 黒髪黒瞳の憂鬱
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第一話 始まりと激動

初めまして■(クロ)といいます。これからこの「結局俺は不信のまんま」を連載していくのでよろしくお願いします。

「ッざけんな!」



怒気を面に出しながら閉まりかけの扉に手を伸ばす。あと少し、もうあとちょっと・・・

その瞬間、伸ばしていた手がその場で止まり、地面を蹴った足がそのまま空中で静止し体が宙に浮いたままの状態になる。しかし、閉まりかけの扉は俺を嘲笑うかのように閉まっていく。そして、バタンという音とともに世界が忘れていたかのようにまた動き出す。




「クソッ!なんだ今の?」



全てを見終えた俺は真っ先に閉まりきった扉を開け中に入る。が、そこは馴染みある部屋ではなく、西洋風のリビングだった。



「あ?どこだここ?」



何故知らない家の中に自分は入っている?というその疑問に答えるかのように、家の中には知らない母親と娘の親子がいた。娘は今にも泣きだしそうな顔で、母親は自分の愛娘を守らんと必死になって子の前に立つ。今は関係ない人に当たっている暇はない。サッサとあの赤い目の奴をぶん殴らないと気が済まない。だからここは穏便に、素早く済ませる唯一の手段を取る。



「すいません!勝手にお邪魔してしまって、本当に申し訳ありません。すぐ出て行きます」



謝罪し、深々と頭を下げる。すると、子の前に立つ母親が恐る恐る口を開いた。



「す、すみません。あの、・ち・・・か?」




俺と目が合っただけで声を漏らしたが、まぁ仕方のない事だろう。何せ不法侵入に喧嘩腰の態度だ。ビビらない方がおかしい。



「あ、俺はそんな怪しい者ではありませんから。まぁ、不法侵入している人間なので信用なりませんけど」



少し誤魔化しを入れながら話す。誤魔化せれてるのかはわからないが、何とかなってるだろ。



「あ、ええっと少し待っていて下さい。誤解されると困るので…」


「?どうかしましたか?」


「あ!いえ、別に気にしなくて大丈夫です。ですが、この国近辺に滞在するのならこのマントを着といてください。勿論フードも被って」



そう言って母親は、黒色のコートを渡してくれた。点で意図は不明だが嘘の感じはしない。マントにも変なコーティングとかはされていないので、純粋な人助け?なのだろう。だから有り難く貰っておいても悪いとは言わせない。



「よくわかりませんがありがとうございます。また、返しにきます。お世話になりました」



そう言い残してマントを羽織り外へ出た。









ーー



「は?」



外へ出て辺りを見回すとそこは現代日本の街ではなく、西洋風の家が建ち並ぶ住宅街だった。今まで何百万回と見てきた景色が僅か数十分のうちにビフォーアフターされていた。



「………どこだここ?」



そう呆気にとられていると目の前に通行人の人達がやってきた。そこでもまた、俺は目を丸くし絶句した。歩いて来たのは普通の人間ではなくネコ耳を生やした奴や、体の大きさが一般人の2倍はある巨人や、斧を抱えているツノの生えた人間?などなど。色々な種類の人じゃない人達、これは叫ぶしかない。



「Fack youクソ野郎ッ!最高じゃねぇか!」



中指を堂々と天に仰がせて、俺は全力で叫んだ。周囲からの冷たい目が一気に注ぎ、俺は羞恥心のあまりすぐにそこから逃げ去った。走りながら思う。




━━━━ようやく解放された、と。









ーー





さて、自己紹介を始めるとしよう。



俺の名前は大神 雷。年は17歳、血液型はAB型。体格は中肉中背、そして日本男児の黒髪黒目。次に、職業。自宅警備って思った奴は大間違いだぜ。ちゃんと学校には行ってる。友達の数?それは聞かないでくれ。まぁそんなとこかな…。




活気のある街の一角に噴水広場があり、そのベンチ?らしき場所で一服し終える。内心だけの自己紹介も終わり、人が集まっているところに向かおうとする。勿論この世界の情報を集めるためだ。どの世界でも情報は重要で、高価だからそれを粗末にすることはできない。それを念頭に置き、出店が多く出ている商店街?の通りへと向かった。



「………来たのはいいが、何をすればいいんだ?」



そうアホみたいなことを言いながら周りを見渡す。ここは市場と商店街の真ん中みたいな場所で沢山の店がならんでいた。果物屋、八百屋、魚屋に肉屋・・・その沢山の店を見ながらふと気がついた。



「おいおい、数字って異世界でも有効なんだ……。数学の授業はもう勘弁してほしいな」



看板などに書かれている文字は読むことが出来ないが、その横に書いてある数字は読むことが出来る。リンゴが五円?きゅうりが八円?なんか安すぎねぇか?



「まぁ、金持ってないから買えねぇしな。次次!今度は城に乗り込んでみようかな」



一番高い場所に聳え立っている大きな王宮を指差し、さっきまでいた大きな広場に出る。そこでは、有名人?みたいな人が手を振っていた。周りの飾り付けや人の行き来を見て今日は祭りの日だと予想してみるが当たりのようだ。



「国民全員で祭りを祝うのか、日本ではまず無理だ。」




なんて批判まじりのことをボヤいていると・・・、

ドコーーーーーーーーーーーンッ!!!という轟音とともに、広場の中心が爆散した。


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