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結局俺は不信のまんま  作者: ◾️
第一章 黒髪黒瞳の憂鬱
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第十五話 奴隷決闘大会 最終戦

「あぁ…。ついイラっときたから本気で殴っちまった。思い出したよその『サマエル』って悪魔。今のお前の姿でわかったよ。」



俺はモーロンが聞いてるかどうかも関係なしに話を続ける。モーロンはまだ壁に埋まったまんま出て来ない。歩みを止め力を抜いてダラっとした体勢で話す。



「サマエル。確か堕天使の一人だったはずだ。元は12枚の羽を持っていた強力な天使だったが、あのアダムとイブを騙して二人に葡萄のワインを飲まし、天の怒りを買って悪魔になった。そして、どんなモノにも化けられる冥界の王?だったかな。」



「・・・・・・・・・」



モーロンは未だ黙ったまんま。


俺がなぜこんな将来役に立つかわからんのを覚えてるのかってのは、2回目の人生が暇過ぎたから興味本意で勉強した。別に好きなわけではない。唯少し面白そうだなぁって思っただけ。友達がいなかったからってわけでは断じてない。



余裕ぶっている様にも見えるが全く違う。俺は今とても焦っている。なんでかと言うとまず武器が無い。さっきの剣は根元で折れてしまって使い物にはならない。ほんとこの剣脆過ぎ、せめてもうチョットマシなの置いとけよ!



「ん…。あぁ…。今のは結構痛かったぞ?」


「ならもっと痛そうにしろっての!」



モーロンはフラッと地面に降り立ち余裕こいている。モーロンの見た目は赤い蛇、蛇の弱点とかあったっけ?あー神だから一緒か…。



「チッ!打つ手無いじゃねぇか。」



「なら降参するか?あーけど、結局ここにいる全員殺すから一緒か。」



さて、向こうは虐殺を望んでいるのか…。ここで絶対に止めなきゃならないな。この剣は使えない。流石にあいつに素手は無理だ。何か武器となる物…。あいつの槍貰えないかな・・・無理だな。できるわけない。



「⁉︎あ、これならイケるかも…。けど・・・。」


「さっきから何をブツブツ言っている?なんだ遺書の準備か?」


「遺書の準備はお前の方が先みたいだな。数十秒待ってやるよ。今書いたら?」


「ほう。残念だが書く気はないな。俺は今神だ!テメェの様な一人間が勝てるわけがねぇんだよ!」


「神様って本当にいるのか?俺は合計32、3年程生きてるけど、そんな奴に何かしてもらった記憶はないぜ?まぁ、そんな奴がいるんなら世の中理不尽なわけないじゃん!」


「それがお前の生き様さ!俺の様な人間にはそんな理不尽は降りて来ない!これがお前との差だ!」


モーロンは両手を大きく広げ話をする。まるで自分が本当の神であると言い張るように。



「お前の話にはなんの信憑性も無い。お前は唯の人間だ。違うのは誰かの手によって少し周りより力が強くなったことだけ。中身に関しちゃあ何一つ変わってない。そんな奴の惚気話を聞いても誰も信用なんかしないだろ?つまり、お前はいつまで経っても人間のままなんだよ!」



俺は別に神が居るだとか居ないだとかそんな事はどっちでもいい。別に生きていく中で神はなんの役にも立たない。生きるのは自分だ。他人が操るんもんじゃねぇ。



「フハハハ!餓鬼の戯言はそんだけか?俺が他の人間どもと同じとは巫山戯てくれる!ここでそれを示してやろう!死ねぇぇぇぇぇええ!」



モーロンは槍を構え突進してくる。そしてライの体を貫き、ライを殺す。ハズだった・・・・。



「だから言っただろ?お前は唯の人間だってよ?お前は自分の力も他人の事も何もわかってない。だからこうやって意表を突かれる。これのどこに差があるんだよ?」



ライはモーロンの攻撃を避けたりはしていない。

受け止めたのだ。それも氷の剣で。その剣は何時ぞやで見た時と同じもの。



「いいか?俺は好きじゃないが他人を信じるって事は重要なんだよ!」



「グフッッッ?!!」


モーロンの剣を弾き空いた胴を横一閃で斬る。体は真っ二つにはなってはいないがノックバックで数メートル先まで飛ぶ。



「ガッ!クソが!!よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくも!!!」



モーロンは発狂し、槍を闇雲に振ってくる。その攻撃は当たる事はなく唯空中を舞っている。



「よくも俺の体に傷をつけたな!テメェだけは絶対に殺してやる!」



「俺を殺すのはいいが、お前自分の体よく見ろよ。どんどん元の姿に戻っていってるぜ?それで俺に勝てんのかよ?」



「ふざけるな。俺はこんな所では死ねない!俺にはまだ・・・ハァ・・・ハァ・・・・まだ役があるんだよ!」




「前半お前のセリフじゃねぇんだけど!?」




「『神よ 我が身をもって我が行いにけじめをつける』」



モーロンの体が少しまた少しと大きくなっていく。そして段々と橙色に光り始める。




「!?て、テメェ!!クソが!全員伏せろーーーーーー!!!!」




俺は会場にいる全員にそう叫び離脱する。

橙色に光り始めたモーロンはとうとう大きな電球のようになってしまった。奴がこの後にやる事は大体理解できる。自爆だ。後1分あるかわからないが少しでも生存率を上げようと俺は壁を登り隠れる。





ドン!!!っと音が鳴った後辺り一面は閃光で埋まった。その後には真っ黒い煙と大穴だけが残った。








爆発からどれだけの時間が経っただろうか。1分、2分ぐらいではなかったと思う。爆発の後の閃光が残り続け最低でも5分は目を瞑りしゃがんでいた。



少しずつ目を開けて辺りの確認をする。全員頭を抑え隠れている。俺は壁を飛び降り地面に降りる。そこには大穴がありモーロンの気配はない。身につけていた物も跡形もなく消え去っていた。







「自殺か…。モーロン、お前本当に何もわかってないな。」







俺はそれだけ言ってイリス達がいる場所まで走った。




さて、今回はモーロンさんです。


名前 モーロン

性別 男

身長 普通時:187 覚醒時:210

容姿 覚醒時:蛇の顔で体は人間小さな羽がある。

色は赤。

髪、瞳の色 普通時:赤 、赤紫 覚醒時:無し、赤紫

その他 魔法は血が流れる度に薄くなっていく魔法でした。本当の闇魔法とは少し違います。

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