第十二話 奴隷決闘大会 一回戦
「はぁ…。今日か…。嫌だなーこっちは見せもんじゃねーんだっつーの」
「あんたそれ今日3度目よ。どれだけ嫌なのよ。」
「普通に嫌だ。別に唯の決闘ぐらいならまだしも、何人いやがるんだよコレ。」
ライが指さす方向は客席、そこにはプロ野球の試合のように大勢の人が座っている。
ここはクリフォト王国にあるコロシアム。名前は特にないらしい。唯の決闘場らしい。それは兎も角、見物の人間の数が異常だ。軽く1000は超える。それに、場所の大きさこれはアホほどでかい。何を血迷ってこんなとこ作ったのか。
五月蝿い声援が飛んでる。さっきから魔法で実況している奴が俺の名前を呼ぶ。
「今度はあのイリス様からの抜擢だー!!名前はライ!!容姿はあの忌々しい傀儡だが本人曰く全く関係ないらしい!!」
「余計な説明はいいんだよ…。普通にやれ普通に」
会場内が傀儡と聞いて静かになる。あいつらって本当に迷惑だな。何もしてないのに引かれるとか俺の学校時代と一緒じゃねぇか。
実況は俺の事など気にもせず次の紹介に入る。
残りの人が呼ばれていき、最後の一人が呼ばれると会場内のボルテージがマックスになる。
「さぁー全員揃いました!皆さんはこの中で誰が優勝すると予想しますか?みなさん!ご投票お願いします!!!」
「うわ〜。絶対金取るヤツじゃん、止めとけって…ホント人間って馬鹿だよな。」
「そんな事言ったって何も変わらんだろ?この世の中じゃ金は正義より強い時もあるんだぜ?」
「まぁそうだな。で?あんたは誰だ?」
「あー悪い。俺はモーロンだ。第1貴族の奴隷だよ。」
「それはドンマイ。あんな奴の奴隷なんて絶対に遠慮するね。」
「別にあの人と会ったりはしてないからそんなに辛くないぞ。ずっと俺は牢屋の中だったからな。」
「それならまだマシだな。」
待って、俺案外フレンドリーかも!中学、高校と友達なんて居なかったのに!まぁ違うわな…。似たような境遇だからだろ。
そんな事を考えてたら実況がまた叫びだした。
相変わらず五月蝿いなホント。
「さーて、一回目の投票が終わりました!!唐突ですが結果を発表します!」
実況がそう言うと目の前に大きなスクリーンみたいなモノが現れた。そこには結果が張り出されており、1〜9までの順位が並んでる。その結果は・・
1、モーロン
2、サルテ
3、ダム
4、ポルケ
5、ブロ
6、ニック
7、セルド
8、ダグラス
9、ライ
え?おい!俺最下位かよ!?貴族達が座っている所にいるイリスは大爆笑。あいつ仕組んだだろ。
「え、えー投票数はすみませんが内緒にしております。ご了承下さい。やはり今回は強者揃いですねー!今までとは違って白熱した戦いになりそうです!!」
「公表できないのって俺のせいじゃん!!」
「さて!内容の確認をしてもらい!その後一回戦が始まります!!対戦はライ選手とブロ選手だ!!!」
この後手短なルール説明があり、一回戦が始まった。いきなり俺が出場なのは、どうせ投票数が低かったからだろ。弱者はちゃっちゃと潰れろって腹だろ。
「運営が何を思ってるのか知らねぇが、勝つのは俺だ!諦めろブロリー!!」
「ブロだ!リーは要らない!舐めてんのか?調子こいてたらぶっ殺すぞ!」
なんか少し言葉のイントネーションがズレてる気がするが…。知ったことはない。
「調子も何もここにいる時点で喧嘩は売ってるでしょお互いに?俺も手加減はしないんでそこんとこよろしく!」
「ガキが!」
ゴングは貴族の奴らが鳴らすらしい。あの鬱陶しい女が持ってる。
「さぁ妾を楽しませよ!」
これが合図となった。
武器は俺は持ってない。あそこにあった物はどれもガラクタ同然、使える物はあまり無かった。しかし、ブロは長めの槍を持っている。
「武器無しとは舐められたものだぜ!武器を持って来なかった事を後悔しながら死ぬんだな!」
「はぁ…。武器ってそれガラクタじゃん。」
「オラよ!!!」
俺はあいつの突きを右に避け、槍の真ん中らへんに蹴りを入れる。すると、槍は綺麗に真っ二つに折れた。
「ハァ!?」
「黙りやがれ!」
「ウガッッ?!」
武器を折られた事に動揺している所を、右ストレートでぶっ飛ばす。ブロは勢いよく飛んでいき、5メートルほど先で止まる。
「あ?もう終わりか?」
「ガキが!!調子に乗るな!!!」
モブ真っしぐらのセリフを吐き、魔法を発動させる。魔法陣が変化し、3つの炎の玉となる。そして、それらを一気に投げ両手で操り当てようとするが、当たらない。
「おいおい…。数で言えば1対4だろ?なんで当たらない。」
「テメェ!いい加減にしろよ!オラオラオラ!」
ブロは全神経を集中させ狙ってくるが、遅すぎる。こんなの弓矢とかと比べれば蝿が止まるぐらい遅い。俺は避けつつも少しずつ距離を詰める。
そして、ブロが押されている事に腹を立て攻撃がむっちゃくちゃになる。俺はそうなった事に気づくと全速力でブロの方へ全速力で走った。
「どうした?死にに来たのか?」
「んなわけねぇだろが!!」
あいつのアホさ加減も大概だ。俺は飛んでくる火の玉を避け、あいつの後ろに回り込む。そしたら火の玉の進行方向上にあいつが立つ事になり、自滅する。
「んな!?ウワッッアツイ!!」
「お前最後の最後まで馬鹿だったな。」
そうして、第一回戦の幕は降りた。
「一回戦なんと勝利したのはあのライだー!!なんという番狂わせ!これは次も期待が高まりますね!!」
「別に期待とかしなくていいんだよ…。」
ふとイリスの方を見ると、それぐらい当たり前ねって顔をしていた。あいつ今からこの場に降ろしてやろうかな?まぁ勝てたんだし良いか。これは確かトーナメント戦だから次まで時間があるな。
ゆっくり休むとしようか。
「フフフ、決勝の相手はあいつだな。」
何処かでそう話していたが、誰の耳にも届かず消えていった。
今回は沢山新キャラさんが出て来ましたが、今日はブロリーではなくブロさんです。では!
名前 ブロ
性別 男
身長 173
髪、瞳の色 どちらも 茶色
体型 少しポッチャリしている。
その他 火の玉に当たったが命に別状はなく、ピンピンしているらしい。




