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結局俺は不信のまんま  作者: ◾️
第一章 黒髪黒瞳の憂鬱
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プロローグ 不信な転移

薄暗い部屋、光源は目の前にある画面の青白い光のみ。画面には「CONGRATULATION!」の文字が映し出されている。ヘッドホンを外し、眉間を二、三回ほど揉みほぐす。すると、右上にアイコンが表示されチャットが届いたと示された。



『あーもう!お前強すぎだろ?』



カチっとクリックし、チャット画面へと表示を切り替える。そこにはつい最近知り合ったゲーム仲間からのメールだった。



『そうか?慣れればお前もできるだろ?』



と、無愛想な返事をしておく。少しの謙遜と少しの自慢、そして大きな無関心からできた言葉を投げかける。



『お前、生まれてくる世界間違えたんじゃねえの?』



画面の向こうの人から、聞いたことのあるセリフが飛んでくる。内容は知ってるし、次に向こうが予想している返答もわかっているので、敢えて外した答えをキーボードで叩く。



「同じシチュエーションでも起きねーよww」



『ww』と打ってはいるものの、表情は一切崩れない上に苦笑の一つもしていない。ただの向こうへの印象操作のようなものだろうか?笑っていると思わせれば向こうは気分良く返答するし、怒っていると思わせれば返事は手短に済まされる。あとは唐突な会話の終了宣言だけ。



『じゃあ俺落ちるわ〜』


『あぁお疲れ』



向こうは未だにやりたそうな雰囲気だったが、こちらはもう徹夜と空腹で今にも死にかけだ。向こうが返信したと同時に全てのファイルを削除しシャットダウンして画面の電源を消した。今度は真っ暗な部屋へと姿を変えた。



「あー腹減った。飯作んのだるいなぁ」



だらだらとキッチンへ足を運び棚を漁る。そこにはあるはずのインスタントラーメンが無く、使わなくなった皿などが放置されていた。



「ヤバ、買い置きするの忘れてた。しゃあねぇ買いに行くか……」



テーブルの上に放置されている携帯の電源を入れ今日の天気を見る。春先のせいもあってかまだ気温が10℃を下回っていると表示される。



「今日はえらく寒いな。コート着ないと」



そう愚痴をこぼしながら、膝近くまである黒いコートを羽織り、カバンを用意し財布、携帯、太陽光付き充電器を中に入れて出掛ける準備を済ます。


じゃあ行くか、と独り言を零しながらドアノブに手を掛け外に出ようとした瞬間 、後ろから靴底がハイヒールの様に尖った靴で背中を蹴られる。

「へ?」と間抜けな声を洩らしながら外へと蹴り出され、顔から突っ込む。すんでの所で手をつきドアの方へと体を返すとそこには、




━━━━━今にも閉まりそうな扉と赤い瞳だけがあった。



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