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王様の登場

かなり期間が空いてしまい申し訳ありません。

とりあえず今後の流行の方針としては作者の気分が乗った時に書いていこうと思います。

あっちもやらなければ、こっちもだ。と義務感にさらされながら書いてもつまらないものになりそうなのでこういう方針になります。

ようするに、不定期で次回更新が未定ということです。

「これならば、きっと魔王も倒せるはずです!」

「え、はぁ。」

「あ、すみません。その、嬉しくてつい…………えと、でもこれでここが異世界だと言う事は理解してもらえたと思います。」

「まあ、確かに……まだこういう立体映像を作り出す技術は無かった筈だから、な。」


立体映像って……まだ若干疑っているようだな、久遠先生。

でも、間違いなくここは異世界だ。

今の俺はその他大勢の1人で周りからはクラスメイトによって見る事は難しいはずだが、普通にステータスが表示されたからな。

何か仕込みがあったとしても見えないところまで対応できるとは思えない。

それと、俺も申告しておいた方がいいかな。

別に注目されたいわけではないが、これであの氷川と対等の立場になれるのだ。

言わない理由などないだろう。

ラノベなどでは隠しているがあいにくと、俺はそこまで自分を律することなんかできない。

ようやくモテる可能性が出てきたのだから。

ま、流石に白川さんが好いてくれるとは思わないが、姫様を狙うのも悪くはないかな。

かわいいし。


「あの、ちょっといいですか?」

「はい。なんでしょう?」

「どうした、東藤?」

「いえ、実は俺もさっき自分のステータスが気になって見てみたんですけど、こんな感じになってて……今出しますね。ステータスフルオープン!」


俺の言葉に合わせて現れる半透明のウインドウ。

そこにはこう書かれている。


東藤雅樹


種族 人族


LV1


HP250/250

MP250/250

STR70

VIT70

INT70

MEN70

AGI70


魔法

火 水 風 土 光 闇


スキル

勇者LV1

異世界言語理解

アイテムボックス

聖剣創造

身体強化LV3

状態異常半減

呪い半減


称号

勇者

異世界人


犯罪



「勇者がもう1人……本当に、この世界は救われるかもしれない…」


もちろん偽装済みだ。

あんな馬鹿みたいなステータスを申告しようものなら単身で魔王討伐に行かされるかもしれん。

それに、魔王を倒した後に化け物扱いされたんじゃたまらないからな。

普通の高校生は聖人君子でもなんでもないのだ。

そうなったら自分でも何するかわからない。


「ステータスは少し低いですけど聖剣創造がありますからそれで氷川との差を補えると思います。」


その辺も狙って偽装した。

同じだけのステータスに聖剣創造も加わると目立ちすぎるし、俺の方が上だと一目でわかってしまう。

貴族やらなんやらの面倒ごとをわざわざ一手に引き受ける必要なんてないから氷川と分散させることを狙ってる。

そして氷川なら納得だがもう1人勇者が現れたということでクラスの連中がざわざわとしだした。

というか、その反応はやめて!

傷つくから!


「……はっ! また取り乱してすみません! えと、それでこれからのことですが、皆様には次期国王である兄、クロード・ソル・リルビアと謁見してもらいます。」


次期国王?


「こういうのは普通王様と謁見するんじゃないんですか?」


俺がこう質問すると姫様はなんとも微妙な表情をしながらこう答えた。


「えと、その〜、父……国王は、体調を崩していて、それで今は兄が国王代行をしているんですよ。」


納得のできる理由なのだが、なんでそんな表情をしているんだ?

ひょっとして、国王を亡き者にしようと企む貴族との争いとか、国王の弟が王になる為に毒を盛ったとかそういう話があるのか?

もしそうならこの場で言うのは憚れるというのも納得だ。

どの世界でも上を目指す為ならどんな手段でも用いる奴がいるんだな。


「で、では、これから謁見の間へとご案内しますが、私語は謹んで下さいね。皆様は私どもが招いた国賓という扱いですが、沸点の低い貴族などもいるので余計な騒動を招く可能性がありますので注意して下さいね。あ、それと皆様はご自身のステータスが気になると思いますが確認するのは各人にお部屋を用意していますので謁見が済んだ後、ご自身の部屋で確認して下さい。確認したステータスを見て、身の振り方を……戦うか、後方支援に回るかなどを考えて下さい。ステータスの内容は晩餐会の前に教えていただければと思っています。」


おろ?

随分と良心的なクラス召喚じゃないか。

物によっては戦えない者はいらないと国から追い出したり、隷属させる道具とかを使って戦争の駒にしたり、訓練場に連れて行って拷問まがいの特訓をしたりするし、それを考えるとかなりいいんじゃないか?

いや、でも最初は油断させてその後でという可能性もあるし用心するに越したことはないか。


姫様に案内されるまま俺達は城の中と思われるところを歩き、大きな扉の前で一旦止まる。

恐らくここが謁見の間なのだろう。

扉の両サイドには鎧を着、手には槍を携えた騎士が立っている。

その騎士の1人に姫様は何やら話をし、話しかけられた騎士は会話が終了すると少し離れた所の扉の中に入っていった。

何をしてるのだろう?

2分ほど待つと再び扉から現れた騎士が姫様に一言二言声をかけると持ち場につく。

そしてその姫様はこちらに向いて口を開く。


「皆様、謁見の準備が整いましたのでこれから謁見を行います。それで、勇者様であるキョウスケ様とマサキ様、それから指導者と思われる貴女……えっとお名前は?」

「明日香だ。久遠明日香。」

「アスカ様の3人を代表とし、その後ろに皆様が立つという形となります。今回はこちらが招き、お願いをするという立場上跪く必要はありませんが、言葉遣いには気をつけてください。では、中に入りましょう。」


そう宣言すると大きな扉の側にいた2人の騎士が扉を開け、俺達は姫様と共に謁見の間へと入っていく。

入って最初に思ったことは、これぞ勇者召喚! だ。

天井からはシャンデリアのような物が吊り下がり、壁の側には鎧を着た騎士が並んで警護にあたり、下にあるレッドカーペットの先は数段高くなっておりそこに玉座がある。

その玉座には20代半ばと思われる金髪碧眼の王様っぽい格好をした男性と20代後半と思われる煌びやかなドレスを身にまとった美女が座っていた。

そしてその側には教会関係者と思われる修道服をまとった50代後半の男や魔女のとんがり帽子にローブという如何にもな格好をした魔女っ子、爽やかイケメンな騎士に装飾が多い豪華な鎧を着たナイスミドル、一見地味だが落ち着いた雰囲気でかなりの値段がすると思われる服を身にまとった財務卿とか言われてそうな感じの茶髪の男性、セバスチャンと呼びたくなるような髭紳士までいる。


「まずはじめに、君達をこちらの世界に引きずり込んでしまい、申し訳ない!」


………いきなり頭下げたよ、王様代行。


「しかし、こちらとしても、魔王の侵略によって世界そのものが危機に見舞われており、なりふり構っていられなかったのだ。失礼を承知で頼む! この国を、世界を救ってほしい!」


王様のこのセリフに主人公野郎の氷川は……まあ、即答して助けるとか任せてくださいとか言うんだろうな。

テンプレだし。


「条件があります。」


あれ?

テンプレじゃないの?


「まず一つ目に俺達の身の安全の確保をお願いします。身の安全の確保には衣食住の確保も含まれます。それと、正直に言って俺はこの世界の人達よりも自分達の方が大事です。見ず知らずの人間よりも身近な、それこそ、同じ世界で一緒に学んできた間柄なのだから、どちらを優先するかなんて分かりきっているでしょう?」

「それは当然であろう。私も、他国の会ったこともない見ず知らずのものよりも自国の民を優先するだろう。」

「次に戦闘を強制しないこと。これまで戦いとは無縁だったのだから当然、戦うこと自体に恐怖を覚える人もいると思います。その場合は無理やり戦わせるなんてことがないようにお願いします。もし強制された場合、国民に有る事無い事様々な噂を吹き込んでからみんなでこの国を去ります。」

「そ、そうか……城の者達にもちゃんと伝えておこう。」


いや、そこは普通に去るだけでいいのでは?

まあ、反対する理由なんてないけどな。

いい案だとは思うし。

国とは国民あってのものだ。

国民からの信用を失えば王としてやっていけなくなるからな。


「そして最後に俺達が望んだことを学ぶ環境の提供と学ぶ時間を設けること。戦闘を行う際にいきなり実戦投入されても無駄死にするだけです。そうならないように戦闘を行う人達には戦う術と生き残る術を、戦闘を行わない人達にもそれぞれが学びたいことを学ぶ時間と環境を用意してほしい。これらの条件を保証してくれるのなら、戦いましょう。」

「こちらも君達が魔王を倒せるよう支援するつもりであった。最後のも間違いなく保証しよう。」


無条件に受けいれないのは向こうが調子に乗らないようにするのに必要だからな。

勇者を道具として扱うなんて話もあるし。

あ、俺も条件を付け加えておこう。


「他にはないかな?」

「では、俺からも一つ。装備品などの支給をお願いします。戦闘を行う人には当然として、そうでない人にも用意してください。この世界にどういうものがあるか分かりませんが、武器はもちろん、防御性能のある服や魔法の道具などを非戦闘員に用意することを条件に追加します。」

「分かった。戦闘を行う者には武器防具を、行わない者には魔法絹で編んだ服を用意しよう。」

「魔法絹って何ですか?」

「絹糸に特殊な染液を用いることで対物、対魔性能を引き上げた絹糸の事だ。一応、我が国の特産品の一つとなっている。」

「ありがとうございます。俺からは以上です。」

「他にはないかな?」


その代理王の質問にみんなから声は上がらなかった。


「他にはないようなので、勇者の皆には部屋を用意したので……「お待ちください陛下!」」


なんだ!?

なんか、何処かからそんな声が聞こえてきた。

それとは別の声も聞こえてくる。

陛下と言っているから体調を崩してるという王様かな?


「私が行かなくて誰が行くのだ!」

「クロード様がいます!」

「勇者の相手を代理で済ませていいものか!」


その騒動の主が奥から現れた……………這いながら。

休んでなくていいの?

そう思っていると、王族の皆様が駆け寄りながら声をかけていく。

まず姫様がお父様と声をかけ、代理王が倒産…じゃなかった、父さんと声をかけ、美女があなた! と…………あなた!?

代理王の嫁じゃなかった!?

側室とか、後妻とかか?

とにかく、この国の王は俺の敵だ!


「ちゃんと休んで下さい、お父様! ぎっくり腰なんだから!」


は?

ぎっくり、腰?

え?

暗殺とか、権力争いとか、そういうのじゃないの?

というか、休んでた理由がぎっくり腰とか……なんだそれ!?

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