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あなたと出会った場所

作者: 瀬川潮
掲載日:2014/12/27

「あれ、何が入ってるんだい?」

 夫が聞いてきた。

「あれって?」

「ほら、押入れの中にある馬鹿みたいに大きな段ボール箱。君はいつも中を見るなっていうけど……」

「中、見たの?」

「いや、見たってわけじゃないけど叩いたら軽そうな手応えでね。もしかして中には何も入ってないんじゃないか?」

 見たな、と思った。

「いいかげん邪魔だし、捨てたらどうかな?」

「中身はどうするのよ」

「中身も一緒に捨てればいいよ」

 ふうん、と思った。どうせ空だしと言わんばかりの夫。

「私もそろそろかなぁ、とは思ってたけど……」

「じゃあ捨てよう。次のゴミの日がいいかな」

 うきうきして夫が言う。馬鹿ね、と思わず呟いてしまう。

「ああいうのはゴミの日に捨てなくてもいいのよ」

 優しく教えてあげる。

 孤独な私が拾った時には「終生、家族の一員として可愛がってください」の張り紙がしてあったな、と思い返しながら。


 これでまた、孤独。



   おしまい

 ふらっと、瀬川です。


 他サイトの同タイトル企画に出展した旧作品です。

 終生家族の一員として飼ってください、という譲渡情報とかありますが、飼われる方から願い下げだとか思われるときもあるのかなぁとかなんとか。

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