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独白

作者: 獺祭部屋の住人

とある片思いに悩む女子を思い浮かべて書きました。所々思考が飛んでおりしのぶもぢずりどころではない乱れた文章になっています。ご注意下さい。

-いっそ、壊れてしまえば楽になれるだろうか。最近そんなことを思う。一体どうしたらこの思いを吐き出せると言うのか。

筑波嶺の…の句ではないが、ただの片思いの癖に想いだけが膨れ上がっていく。笑まれるだけで幸せである。見ているだけで幸せであると、どうして思うことができないのだろうか。どうして他の娘と話しているのを見るだけで、心にどす黒いものが沸いてくるのだろう。どうして醜い独占欲がごうごうとこの身を焦がすのだろうか。

人の喜ぶ顔が見たいというのが元の行動原理ではなかったか。どうしてこんなに私は醜いのだろう。嫉妬、絶望や苦渋…そんなものがない混ぜになった感情で私は壊れてしまいそうだ。本当に壊れてしまえるならばどんなに幸福だっただろう。どうしてこんなに哀しいのだろう。この心を一体誰に吐き出せばいいと言うのか。こんな醜い女であることを喧伝するようなことを。

あの時、構えて向き合っているときに、彼は何故私に笑ってくれたのか。きっと、ペアだから勇気づけようとしてくれたのだろう。なぜあの部屋で長い間側にいてくれたのか。ペアを組んでいて心配してくれていたから。…そんな事はわかっているのに。ーどうして。どうして私は蜘蛛の糸より細い希望にすがろうとしているのだろう。ああ、気軽に彼と話しているあの娘が羨ましい。話しかけるのによく躊躇って思索に耽る私などとは大違いだ。それを考えるときっと私は重たい女だろう。口も重ければ態度も明るくない。一緒にいて楽しい人間ではないに違いない。本当はもっと明朗快活な人間でいたかった。いつからか自分の中に閉じ籠り人と話すことが下手になった。自分の殻も破れず気軽に話すこともできない人間になってしまった。

もっとましな人間になりたかった。もっと器用な人間になりたかった。もっと、を求めればきりがないし、どうしようもないのを知っていて私は強欲にもそう思う。

人の痛みに気づかず気配りもできないような最低の人間が今の私だ。知らない内に人を一杯傷つけた。知らないでは済まされないのに。知ろうともしなかった私が悪い。理屈はわかっているのに。どうしてこんなにやりきれないのか。どうして涙が溢れてくるのか。

わかっていても目を背けたい。自分が醜い人間であることを認めたくなどない。それでも私は見なければならない。臆病で醜い私の事を。

今まで服装やおしゃれに気を使わなかったのは小中で言われ続けた不細工や豚のような嘲りや謗りを受けたくなかったから。化粧に気を使わなかったのもその為だ。だがこれは言い訳にすぎない。

私はただ逃避しているのだ。重たい女だと言うのも同じだ。謗りや嘲りから逃げようとした結果今の私がいる。賢い振りをしてなにもかも見ないように過ごした結果が今の私だ。汚いものだ。守られて育ってきたくせに、逃げ続けるなど。どうしようもない人間だ。どうして私は生きているのか。少なくとも自分の生を貴しとは到底思えない。ああ、この葛藤はどうしたら晴れるのだろう。いっそ、彼に吐き出してしまえばいいのか。好きだったと。

想いを伝えては迷惑ではないか。私は未だに迷いから抜け出せない。この心はいつ晴れるのか。或いは死ぬまでこのままかもしれない。

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