弟の話
「なっ、何でばれたんだ。俺が転生者だって。」
割とあっさり白状した。
「普通もうちょい取り繕ったりしませんか?僕だって自分が転生者だってばれないように言動には気をつけているのに。」
僕は子供が丁寧な話し方をする違和感を許容範囲として、その他の言動は気を配って生きてきたのだ。
「僕だって?ディルも転生者なのか?あとばれたらマズイの?」
お気楽すぎやしないか?兄さん。
「僕も転生した日本人だよ。あと普通にゴースト系モンスターとかいるんだから、知らないはずの知識とか持ってたらとり憑かれてるとか思われるよ」
「なるほど。でも考え過ぎじゃね。」
軽いなぁ。(頭が)
「…まあなるべくばれないようにしてくださいね。」
「おぅ。ところでさ、お前って前世ではモテたの?」
おもいっきり話飛ばしてきやがった…
「…モテたどころか彼女すら出来かったですよ…」
「…そうか…でもこの世界なら俺たちモテまくることも出来るんじゃね。」
なんかこの人の行動の原理が見えた気がする。
「もしかして召喚術を鍛えてたのもモテたいからですか?」
「決まってんじゃん。俺は冒険者になってチート無双でハーレム造り上げるんだよ。」
あーこれは…
「前世では萌えアニメオタでしたか?」
「うっ! …まあそうだけとさ…。でも男なら目指すべきだろ。ハーレムは。」
「ハーレムには興味ありませんが、冒険者は面白いと思いますよ。」
「やっぱり冒険者はいいよな。でもお前あんまり召喚術や攻撃魔法って勉強してなかったよな?これから剣術でも覚えるのか?」
そんな事はしない。僕だって考えはあるのだ。
「まぁ、親父のつてで格闘と弓は習っているよ。」
「へー。格闘家かぁ。強くなったらパーティーでも組むか?」
「そのうちにね。まあまだ子供だからね。いずれはといったところさ」
「そうか…まぁ俺のパーティーに男はいらないからな。手が足りないときよんでやるよ。」
まだ冒険者になってもないのに気の早いことだ。
「あぁ。その時を楽しみにしてるよ。」