両親の話
両親の話をしよう。
僕の両親は錬金術士らしい。というかこの世界に魔法や錬金術があることが驚くところだが、日本以外に産まれた時点で異世界ではないか?というイメージが出来ていたらしく、わりとすんなり受け入れられた。いわゆるテンプレだなぁ。くらいにしかおもわなかった。
話をもどすと父の名前はバレル ライズ
今住んでるこの国ライオニア王国の錬金術士ギルドで副ギルド長をしている。錬金術というジャンルはわりと複雑で、魔法道具や魔法生物、魔法薬に魔法素材の精製など多岐にわたる。その中で父は良く言えば万能型、悪く言えば器用貧乏で、特別秀でた所はないが、何でもそつなくこなすタイプらしい。
一方母は名前を エレーナ ライズ という。
元冒険者で召喚術士兼錬金術士らしい。というが今の母からは荒くれの多いといわれる冒険者の面影は微塵もなく、雰囲気の柔らかい母といった感じである。ただし召喚術士としてはそれなりで、掃除や洗濯などの家事は自身が造り上げたホムンクルスを呼び出して作業させている。というか魔法生物専門の召喚術士らしく、母いわく「悪い子ならお仕置きするけど普通の子を弱らせて契約なんて出来ない。」らしく、基本的に戦わずになつくモンスターか、自分で創造した魔法生物しか使役しないらしい。
そんな両親共に錬金術士の子供として育った僕と兄は、ごく自然に錬金術を学んだ。
兄のガルシアは母によくなつき、母を師匠として魔法生物の創造を中心に学んだ。
僕は基本的には父に学びながらも、個人的に興味があった魔法道具製作を中心に、父のつてでギルドの識者に講義を受けたりした。
もっとも兄もそういう講義を受けたりしたのだか、彼は何故か女性の識者の講義をよく受けたがり、理由を聞くと「むさいおっさんの話を聞いてると眠くなる。」からだそうだ。まだ子供なのにませてるなぁ。
と、その時は思ったのだったが、後から思えばこのくらいの段階で注意すべきだったのかもしれない。