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三話

ようやくヒロイン的なもの登場。戦闘シーン長くなってすいません。

 

「ハァッ…ハァッ…ハァッ…!」


 足元のおぼつかない森の中、何度も転びそうになりながら必死に逃げる。

 私が居るということは、ここは何かのMMORPGの中なのだろう。

 だが、ここまでリアルに近いゲームは見たことも聞いたこともない。

 一瞬、本当に現実世界かとも思ったが、後ろから追って来るものがここをゲームの世界だと認識させる。

 

 「ハァッ…ハアッ…!!」

 

 走りながら後ろを確認すると、

 そこには、八メートルはあろうかという一つ目の巨人が怒り狂いながら追いかけてきていた。

 

 巨人の目は血走っており、巨大な木の棍棒を振り回すその様子からどれだけ怒っているのか分かる。


 だけども…、


 「何で明らかに生息地域から離れたはずなのに追いかけてくるんですかーっ!!」


 私が何をしたっていうのか!?

 

気がついたら変な岩山の上にいて、どこか分からなかったのであたりを散策していたら、まるで押してくれと言っているような直径2メートルほどの丸い岩が崖っぷちにあったのだ。

 これはもう押すしかない。5人いたら3人はそう思うはずだ。そう思ってその岩を押したところ、案の定その岩は崖を転がり落ちていった。

 そしたら、崖の下で仰向けに寝ていた巨人の股間にクリティカルヒッツしてしまっただけのことではないか!

 無防備な状態で股間を強打され悶えてる様子を「クッソワロタwwwwwwww!」と笑ってしまうのは不可抗力だ!


 だから私は悪くない!!

 

 何でこんなに追いかけられなくてはならないのか!!たかがMOBのくせに生意気だ!


 ドッガアアンンンッッッ!!


 「ヒッ・・・・!!」


 巨人の棍棒によって飛ばされたらしい木が私のすぐ横を飛んで行った。


 「死っ・・・死ぬっ、死んじゃうっ・・・!」


 普段ならばこんな風に敵MOBに追いかけられたり、状況が悪くなったら、そこら辺のグラフィックに干渉して、そのデータを食べて、崩れたところからネットへと逃げるのだが・・


 「なんでたかが木一本のグラフィックに3MBもつぎ込んでるんですかーっ!!」


 50~500KB ならまだしも3MBとなるとさすがに食べ終わるのに時間がかかる。

 そんなことをしていたら、あっという間に捕まってお陀仏だ。

 

 「ヒッ・・ヒグッ・・もう嫌っ・・!」


 半泣きになりながら途中で拾ったボロボロのローブを深くかぶって見つからないようにひたすら走る。


 「GUoooooooooaaaaaa!!!!」


 巨人が咆哮をあげた。

 

 再び後ろを振り向くと、巨人はあちこちを見回し、私を探しているらしかった。

 どうやらローブを深くかぶって逃げ回っていたのと、森が深いのとがあって見失ったらしかった。


 これなら逃げ切れるかも・・・!

 そう思って前を向くと、

 

 そこには一人の少年の顔があった。


--------------------------------------------------------------------------


 「えっ・・・・・!?」

 

 それはどちらの声だったのか。

 

 茂みを抜けると、そこにはフードを深く被った少女がいた。


ゴッツンッッ!!


 「「グハッ!!」」


 突然なことに避けきれず、お互い額を強打した。

 二人とも全速力で走っていたこともあって一瞬意識が飛びかけた。


 「~~~っつ~~!!」


 あまりの痛みに頭を押さえてうずくまる。

 この世界にもほかのVRMMORPGと同じように痛覚遮断機能は存在する。

 だが、それが適用されるのは、その痛みを受けた人の精神に支障をきたしかねないものにしか適用されない。

 ゆえに、足の小指を角にぶつけたりとか、頬をつねられた時の痛みなどはそのまま感じる。


 だが、


 「ッ、さすがにこれは適用されてもいいんじゃないかっ?」


 実際だったら間違いなく瘤ができているに違いない。そんなレベルの痛みだった。

 

 俺はまだステータスによる防御力補正がかかっているため多少は痛みが和らげられたが、ぶつかってきた少女はというと、


 「ッ~~~~!、ッッツ~~~~~!!」

 

 ・・・・頭を抱えて地面を転げまわっていた。


 「・・・あ、あの?だ、大丈夫ですか・・・?」


 そう問いかけると少女はいきなり立ち上がって俺の胸ぐらをつかんで、


 「大丈夫!!??、この状況を見て大丈夫って言えるんですかっ!?」


 と完全に涙声で怒鳴ってきた。


 「ちょ、おい、そんな大きな声を出すと・・・」


 「はあっ!?そりゃ大きな声も出したくなりますよっ!?気づいたら変な岩山の上にいるし、たかだか木一本のグラフィックに3MBもつぎ込まれてるせいで逃げられないし、めちゃくちゃ頭痛いしっ!?!?挙句の果てには巨人に追いかけ・・られ・・・」


 突然二人のいる場所が影で覆われた。

 

 恐る恐る上を向くと、

 

 「ヒッ・・・・・!!!!」


 「おいおい・・・・・嘘だろ・・・・、何で・・・、何でこんなとこに一つ目巨人サイクロプスがいるんだよっ!!」

 

 そこには目を血走らせたサイクロプスが、見つけた、と言わんばかりに息を荒くしてこちらを見ていた。


 「GUOOOOOOOOOOOOOOAAAAAA!!!!!!」


 サイクロプスはそう声を上げると二人に向かって棍棒を振り落した。 

 


 

 

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