あまりにも寂しすぎるから。
独りになるって事をちゃんと理解できていなかった。
いつのまにかぽつんって一人ぼっちでさ。
いつも振り向くと笑って頷いてくれる人が居ないんだ。
初めての独りでの任務。
任務自体は凄く簡単。
敵に見つからずに設計図を盗み出すこと。持ち主を殺すこと。
そんなのは一瞬で終わった。
だけどね。
なんでかな……。
すごく不安なんだ。
「ちゃんとできたよ」
そう言って振り向いても誰も居ない。
瑠璃もシルバも居ないんだ。
そうして、ああ、独りなんだって気付く。
寂しい……。
誰も何も言ってくれない。
誰も居ないんだ。
任務先で笑いかけてくれる人も居ない。
任務が終わって「がんばったね」って言ってくれる人も居ない。
だからね。
すっごく哀しいって思うんだ。
《ココロなんてなければいい》
結論は結局そこだった。
暗殺者に感情はいらない。
ただのお人形になればいい。
そうしたら何も感じないから。
「ばいばい、《玻璃》」
こんにちは《ドーリー》
ドールの仮面を被ってしまえば、もう、何も感じない。
あまりにも寂しすぎるから。
あまりにも哀しすぎるから。
私 は感情を捨ててお人形になる道を選んだ。