第7章:予選開始
朝の光が未来都市ミライハーバーを鮮やかに染める。
空中デッキには観客やスタッフの声が響き渡り、都市全体が大会ムードに包まれていた。
ユナは深呼吸をひとつ、緊張で高鳴る心臓を落ち着かせる。
「ユナ、行くぞ」
ルイの静かな声が耳に届く。
マルコも機材を操作しながら頷く。
「焦らず、いつも通りの感覚で」
ミナトの元気な声が後ろから響く。
「ユナ姉! 絶対勝とう!」
ユナは頷き、視線を前に集中する。
光の階段と浮遊リング、影ゾーン――全てが彼女の挑戦を待っていた。
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大会コースの描写
予選コースは巨大な空中ステージ。
光の階段が縦横無尽に配置され、浮遊リングは複雑に絡み合い、数か所に影ゾーンが存在する。
都市のネオンや残光が、まるで生きているかのように光を揺らす。
ユナは目を凝らし、心拍を意識する。
耳に響く歓声、風の音、電子音が同期し、五感が研ぎ澄まされる。
「――集中する。まずは自分の走りを」
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序盤の試合
スタートの合図とともに、ユナは光の階段を駆け上がる。
浮遊リングを跳び越え、残光の尾が都市に虹を描く。
影ゾーンが迫るが、昨日の練習で克服した感覚が体に染みついていた。
後方からリオ・サントスの軽やかな動きが見える。
欧州代表レオンは高度な技術でコースを短縮している。
ユナは焦らず、仲間との連携に集中する。
「ここだ、ジャンプ!」
残光が長く尾を引き、リングの軌道を正確に飛ぶ。
五感すべてが都市と一体になったような感覚に包まれる。
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仲間との連携
途中の浮遊リングでは、マルコの指示に合わせてタイミングを調整する。
ルイの微細なサポートデータが、リアルタイムでユナの視覚に反映される。
「よし、このまま影ゾーンを突破!」
ミナトも横で並走し、励ましの声を送る。
「ユナ姉、いける!」
チームの呼吸がシンクロし、恐怖心は消え、集中と爽快感だけが残る。
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ゴールの瞬間
最後の影ゾーンを抜け、ゴールラインが目前に広がる。
ユナは全力で踏み込み、都市の夜景に残光を伸ばしながら飛び越える。
歓声と電子音が一気に増幅し、心の奥まで高揚感が駆け巡る。
「――やった!」
仲間と観客の歓声が、空間全体を包み込む。
ルイも穏やかに頷く。
「順調だ、これが君の力だ」
ユナは胸に暖かさを感じ、初めて公式戦の手応えを掴んだ。
光と影、恐怖と集中、仲間との連携――全てが一体となった瞬間だった。




