第6章:初大会前夜
夜のミライハーバーは、静かに光を揺らしていた。
空中デッキのネオンが淡く都市を照らし、遠くの建物からは微かな電子音が響く。
ユナは自室の窓際に座り、手のひらで残光の残像を追った。
明日の小規模大会が迫っていることを思い、心臓の鼓動が早まる。
「……私、やれるのかな」
胸の奥で小さな不安がうずく。
昨日までの練習で恐怖は克服したが、公式戦の緊張感は未知数だった。
手に伝わるデバイスの冷たさが、現実に戻す。
目を閉じると、光の階段と浮遊リング、影ゾーンが頭の中で再生される。
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仲間たちの支え
ドアをノックする音。
ミナトが元気な声で呼ぶ。
「ユナ姉、そろそろ寝よう! 明日は勝つんだ!」
ルイも穏やかな声で言う。
「緊張するのは当然だ。だが、自分を信じて挑めば必ず力になる」
マルコも微笑み、機材の最終チェックを行う。
「焦らず、いつも通りの感覚で行こう。みんなついてる」
ユナは深く息を吸い込み、心を落ち着ける。
「――そうだ。私は一人じゃない」
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心の中の葛藤
ベッドに横たわると、昨日までの成功と今日までの練習が頭を巡る。
「影ゾーンも克服できた……でも、公式戦はもっと厳しい……」
五感が覚醒した感覚を思い出す。
風の感触、残光の光、都市の匂い、仲間の声――
すべてが自分を後押しする。
「――大丈夫、私はできる」
ユナは瞼を閉じ、明日の勝利を頭の中でシミュレーションする。
光の階段を駆け抜け、浮遊リングを跳び、影ゾーンを避ける自分――
心拍の高まり、風の抵抗、歓声の熱量まで、すべてリアルに感じる。
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都市の夜と期待
窓の外には、未来都市の無数の光が瞬いている。
都市全体が、明日の大会を祝福しているかのように輝く。
ユナは深く息を吐き、心の中で小さくつぶやく。
「――明日、私は最高の走りをする」
光と影、恐怖と希望、孤独と仲間――
すべてが交差する夜、少女は静かに眠りについた。
明日の空は、再び彼女を試すだろう。




